第14話 賭けようじゃないか

「あれ?悠太じゃない。どうしたの?」


 声の主はクラスメイトだった。よく見ると後ろに、玲奈、翔太、紗希の3人もいる。みんなクラスメイトだ。この4人は1年生のときから学校では有名で、冒険者として一端に振る舞っている。


「俺たちはダンジョンに潜ってるからな。ってか、その恰好、お前たちも冒険者?」


「そうだよ。私たち4人でパーティ組んでるの。」


「そうなんだww お前ら、なんかコスプレみたいだなww

 俺たち、GWに【鹿の森】クリアしちゃってさ。

 この夏休みは三重に遠征!今日はそのミーティングなんだ。」


「へー!すごいね!」


「お前たちは何階まで行ったの?」


「あ、実は私たちもさっきクリアしたんだ!」


「へ?

 

 …あ、おめでとう。

 お前たちもベテラン組だったのか!

 あのアースホーン、でかくてビビっただろ?ww

 強いパーティと組めたみたいで、運がよかったなあ!」


 おめでとうの前に小さく「ちっ」て舌打ちが聞こえた気がする。


 それはいいとして、普通ダンジョンのボスを倒す場合、数パーティで討伐チームを組むことが多い。私は言葉を濁しておいた。


「俺たち、全員レベル20超えてんだぜ!」


「へー、すごいな。私たちのレベル、平均でまだ15くらいだよ。」


「まあまあだな。。

 むしろ、そのレベルでボスに挑んだ勇気がすげぇ!」


 自分たちのほうがレベルが上だとわかって、軽くマウンティングかな?私たち、今日1日でこれだけレベル上がったんだけどね。


「ねえ、あんたたちも一緒に三重に行こうよ!」


 後ろから玲奈が口を出した。なんでも3日後に、三重の【賢島ダンジョン】でイベントがあるらしい。


 賢島かあ。カシコジマっていっても別に島じゃないんだよね。近鉄線に乗ったら電車で3時間くらいだ。そんなに遠くはない。

 

 だから行くのはいいんだけど、この4人ってあんまり評判が良くない。プライド高いし、いじわる体質だし、一緒に行動するのは気が進まないな。


「【賢島ダンジョン】っていったら確かEランクだったよな。私は行ってみたい。」


 リリスはノリ気みたいだ。


「ふふ。イベントは2日間続くから、1泊しなきゃならないよ?

 お金かかるけど、あんたたち大丈夫?ww」


 そう思うんなら、なんで誘うんだよ。大丈夫だよ。お金ならあるよ。


「せやなぁ。ほな、あんたら。

 うちらと勝負せえへんか?

 イベントで順位が低かったほうが、相手の経費を全部持つってどうや?」


「は?あんたたち本気?」


 玲奈たちは色めき立った。


「まあ!それは面白いですわね。」


 和泉まで挑発する。



「え?どうすんの?」

「こいつらに負けるわけねえだろ!」

「もし負けたらどうすんのよ?」




 4人でヒソヒソ話し合っていたが、悠太たちの結論は出たみたいだ。



 私たちを指さし、悠太は決めポーズをとった。



「よーし!その賭けのってやるよ!

 もう引き返せねえから、負けて泣くなよな!」







☆☆☆


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