第7話 はじめての宝箱しかも金箱

 もっと大きな塊が発射されると思ったんだけど、剣先から出たのは水鉄砲で撃ったみたいな細めのビームだった。その光が、スライムの沼に触れると、瞬間的にスライムが蒸発していく。


ちゅどーん!


 とか言わない。私たち4人の木刀からでた光は音もなくスライムを消し去っていく。というか洗浄しているって表現が似合ってるかも。なんか地味だ。ホースの水で洗車しているお父さんの姿を思い出したよ。



<これどうなってんの?>

<魔法?>

<まずこの沼がスライムってマジ?>

<ソースは本人たちの談だけww>



 結構手間取ったかな。5分くらいかけて、私たちはスライムの沼を消滅させた。沼があった場所には、スライムの魔核が何100個も散らばっていた。



<魔核だ>

<何個あるんだ?>

<やべ。ホントにスライムだった>

<スライムの沼とか初めて見たわ>



 スライムの沼があった向こう側の壁に、人が何とか通れそうな穴が空いている。こうして見ると、まるでスライムたちはこの穴を守っていたようにも見える。気配を探ったら、穴の中は学校の教室くらいの空間で、行き止まりになっている。生き物はいそうにない。


赤「どうする?入ってみる?」


黄「何も居ない…ですよね。」


黒「行かないわけには、いかないだろう!」


緑「いや、なんでや?

  そんなこともないわ!」


 リリスは見た目より好奇心が旺盛で、ワクワクが止められないって顔をしてたw葵のツッコミもわかるけど、やっぱり好奇心には抗えないよね。結局私たちは、穴の中に入っていっていくしかなかった。そんな私たちの目に飛び込んできたのは、なんと…金色の宝箱だ!



<え?金箱?>

<Fランダンジョンの2階層で??>

<そんなことあるの?>



 みんな驚いてるよ。私はコメントを見ながら言う。金箱が見つかるって超ラッキーなことみたい。早速あけてみるね。





 宝箱を開けると、青白い金属でできた冠が入っていた。淡い光を自ら放っている。細い枝が絡み合って形作っているようなデザインで、何かをはめ込むような受け口が7つある。そして中央には、大きな透明の球が輝いていた。


赤「え?何これ?すごく綺麗。」



<お前のほうが綺麗だよ>

<きも>

<きも>


<装備?>

<わからん>

<空の冠>


<え>

<何?>

<え?>


<くぼみに7色のオーブをはめ込んだら完成する。>


<そうなん?>

<kwsk>

<完成したらどうなんの?>


<すまん。知らん>



緑「知らんのかいっ!」


 肝心なところで使えへんなあって、葵ちょっといいすぎwwとりあえず、【空の冠】って名前はわかったよね。でも、これ以上の情報はなさそうだし仕方がない。ちょっとかぶってみようか。


 何気なく私はその冠を自分の頭に乗せた。




 …こ、これは!!!





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