第20話 四天王サイアック(後編)

=====前回のぼうけん=====

 ジュード・ニコル・僕の3人は【そうくつのどうくつ】B3Fにいた。僕達は見るからに四天王が出現しそうな大きな赤い扉の前にいる。HPとMPを回復した僕達は、意を決して扉を開けた。

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ジュード「おいっ!!!どこだ!!!四天王!!出てこい!!」


 大きな椅子が部屋のど真ん中にあるが四天王らしき人影…いや、モンスター影?はない。


ニコル「他にそれらしい部屋はなかったよねぇ。いないんなら先進もうよぉ。四天王と戦わなくてもダーマシ神殿にいけるなら一番いいしさぁ。」


僕「こんだけ前フリしておいて、いないってオチはないんじゃないか?さすがになにかあるはずだ。」


ジュード「今までのハチャメチャな展開からすると何もいなかった…ってオチも充分ありそうだけどな」




僕「…ん?なんだ君は。」


 部屋の隅に男の子がいる。僕はその子の手を引いて扉の方へと向かった。


僕「ここは魔物の巣窟そうくつだ。早くおうちに帰りなさい。」


???「まさかあなたが勇者ですかね?」


僕「そうだが。ぼくはいくつだい?」


???「4200歳」


僕「そうかそうか。あっはっは、四天王ごっこかい。面白い子だ。こんなところにいては危ないよ。」


???「それってあなたの感想ですよね。私、さっきも4200歳っていいましたよね。話聞いてました?見た目は子ども、頭脳は大人なんですよ。意味わかります?あなたのほうこそ、わざわざ入口に巣窟そうくつだと書いておいてあげたにもかかわらず、無謀にもLV1で挑んでくるなんて、もう一度学校に行って勉強し直した方がいいと思いますけどね。」


僕「…ほぅ。随分と生意気なお子様じゃないか…。4200年も生きているんだったら当然世界の歴史を語れるはずだよな。3X25年にダーマシ神殿周辺で起きた抗争こうそうの名前はなんだ。言ってみろ。」


???「イビール地区とイバール地区で繰り広げられた香草こうそうエリクサーの栽培地をめぐる争い、【香草の抗争】のことでしょうかね。世間一般では3X25年と言われていますがそれは記録上の話で正確には3X24年の出来事です。なぜならば3X24年は新教皇の即位の年であったのでその年に抗争が起きたなどと記録に残そうものなら我が国の歴史にきずがつくからです。そのようなことも知らずによくこの問題を出しましたね。」


僕「何!?言わせておけば…では3X99年におきたネバールとシバールの争いの名前はなんだ。挙げて見よ。」


???「【高僧の抗争】ですよね。ネバールとシバール、互いの村の僧侶がどちらが頂点か競い合った結果、分断を深めることとなり彼らは決別してしまいましたよね。簡単です。では、私からも問題を出しましょう。2X10年に起きたスタートールとボンキュールの争いの名前はなんですかね?当然、答えられますよね?」


僕「ふっ。当たり前だ。馬鹿にするのはよせ。僕は通知表体育以外オール5だ。【構想の抗争】だろ。スタートールとボンキュールが同時期にカジノ建設の構想をうちだし、利権争いが勃発ぼっぱつした…」




ジュード「オール5の才能、勉強以外にも少しは生かせよな…」



◆◆


―1時間後―


サイアック「アルフ、早く次の問題を」


僕「次はサイアックの番だ」


サイアック「失敬。それでは、794年前、ウグイス嬢として名を馳せた枢機卿すうききょうの名は。」


僕「ヘーアンきょうだ。ではいくぞ。710年前に納豆の研究で名を馳せた枢機卿すうききょうの名は」


サイアック「へージョーきょうだ。では…」





ジュード「なぁ、ほっといても大丈夫じゃね?」


ニコル「2人、親友になれそうだねっ♥」




◆◆◆



―夕暮れ時・山のふもとのカフェにて―



ヌイーダ「ねぇ、アルフまだ戻ってこないの?」


ニコル「あの調子だと1日中喋ってるかもね~。サイアックの指示がなければどうくつの魔物もアルフの命を狙うことはないと思うから、大丈夫じゃないかなぁ。」


ヌイーダ「私いやよ、アルフが四天王を仲間にして帰ってくるとか…。」


ヨーボ「ありえそうじゃのぉ…」


ニコル「これ以上メンバー増えなくていいよぉ~……」


ジュード「まともに戦ってくれるキャラは増えなそうだもんなー。」



4人「「「「はぁー…」」」」



◆◆

※わかりずらかったので一部修正しました。


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