第四章 やまおくのみんぞく
第15話 トリネコ
=====前回のぼうけん=====
ヨーボ・ジュードと一夜を共にし(注:健全なる睡眠)ようやく波乱万丈の1日が終わった。転売ヤーという天職を見つけ転職を決めた僕、勇者アルフはLV1でダーマシ神殿に1人で向かい、一瞬で死を迎えた。しかし…
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???「生き返ったぁー??」
僕「…!!???」
生き返ったかどうかを尋ねてくるということは、僕は死んでいたのだろう。いや、確実に死んだはずだ。目の前には可愛い羽根のついた女の子。ここは天国か?
僕は起き上がる。隙間から女の子が見えるが、頭上が何かで塞がれている。両手で力いっぱい押すと蓋が外れ、外部の様子が見えた。高い天井とたくさんの長椅子、十字架、ステンドグラス。
◆◆
—20分前—
???「おお かみよ このものの みたまを よびもどしたまえ」
ウルフ「さすれば わが きょうかいに 5ゼニーの きふを。」
♪🎶♩♬♫復活のSE ♪🎶♩♬♫
アルフは いきかえった!
◆◆
ウルフ「おぉ!しんでしまうとはなにごとじゃ。」
アルフ「やっぱり死んでたのか…ってことは、僕の入っていたコレは…
ウルフ「なぜわたしが変えねばならぬ。貴様が変えてこい。」
アルフ「なんと口の悪い神父だ」
ウルフ「性格の悪い貴様に言われる筋合はない。」
◆◆
僕「…で、君は何者だ?なぜ、見ず知らずの僕を助けた?何か裏があるんだろ。」
???「ウチはトリネコ。スナバからきた商人。てかあんたさ、人の親切を素直に受け取れっつーの。アンタがかわののろいを持ってたから、気が合いそうだなって。」
僕「ほら、やっぱり裏があるじゃないか。それにしても君がトリネコとは奇跡だ。僕達は、君を探す旅をしていたんだ。」
トリネコ「え??ウチを??マジで??」
僕「君が世界に2冊しかない幻のエロ本【ねとりのしょ】を持っているって聞いたから、譲ってもらおうと思ってね。」
トリネコ「は?マジ無理。ウチの本だし。」
僕「君は見たところ商人だろ?賢者に必要な【ねとりのしょ】が必要そうには見えない。譲ってくれ。」
トリネコ「いや必要だし。ウチは売れっ子コスプレイヤーなの。あちこちのコミケを渡り歩くために転売ヤーとして生計をたててんだ。ねとりのしょは、コミケのいい客寄せになんだよねー。」
僕「その天使の羽は偽物だったのか。」
トリネコ「天使なんかじゃない。白鳥の羽だっつーの。……ちなみに耳は……」
トリネコは突然身体をくねくねさせると、両手をグーにして猫ポーズを決めた。
トリネコ「ペルシャ猫の耳のイメージだにゃ~ん❤︎(ニッコリ)」
僕「トリネコだけにか…てかなんだその突然のキャラ変。コミケ用か?間違って一瞬惚れるところだった。」
トリネコ「いや間違ってって何。普通に惚れろっつーの。あんたも、ウチのちょっぴりエッチなSNS【インしたグラム】のフォロワーになってくんない?そんで、大量に【トリネコちゃん最高〜】ってコメント書きこんだり、フリマサイト【アルカリ】用のかわののろいの梱包を手伝ってくれるってゆーんなら、ねとりのしょを貸してあげてもいいけど。」
僕「惚れなくて正解だった。まあ、それでねとりのしょを貸してもらえるなら手伝うよ。野郎ばっかりの旅で、つまんないしさ。それに、俺は転売ヤーになるって決めたんだ。」
トリネコ「あっそう。で、あんたの仲間はどうすんの?」
僕「自由に行動していいっていわれてるからさ。ちょっと稼いでから、報告に行こう。」
トリネコ「報告?」
僕「うん。僕はこれから転売ヤーとして、トリネコと生涯を共にするって決めたんだ。」
トリネコ「待って待って重い重い。惚れてないんじゃなかったの?てかさ、ウチと冒険したいんなら、別にねとりのしょ、いらんくね?」
僕「確かに。それもそうだ。じゃあ、ねとりのしょは別になくてもいい。転売のやり方を伝授してくれ。」
トリネコ「いやいや、仲間は?何のために冒険してたのさ。」
僕「なんだっけ…あぁ、そう、近所のじいさんを賢者にするために、ダーマシ神殿に行きねとりのしょを探す旅だ。」
トリネコ「なんか色々矛盾してるけど、手伝ってくれるならいいか。さっ、じゃああんたは今日からウチの荷物持ちだよ。これ持って。」
僕「重っ!!」
僕は風呂敷に包まれた大量のかわののろいとせいどうののろいを担いだ。
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