第16話 ネバールの民
=====前回のぼうけん=====
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トリネコ「でもさ、ウチと一緒に冒険したいなら、ウチの親族にも顔合わせしてもらわないとだね。」
僕「え…?それってまさか…プ…ポロ…プロポロ…」
トリネコ「違う違う。てか言えてないじゃん。ウチの出身地、ネバールの民はとても仲間に執着する民族。ウチが紹介もせずにアンタと冒険してるって誰かにバレたら、ただじゃ済まされないからさ。」
僕「よし、結婚しよう。」
トリネコ「話聞いてた?仲間として紹介したいだけだってば。とりあえず、一旦ネバールに戻るよ。」
僕とトリネコは大量ののろいの装備を手に、フィールドを上に16歩、右に6
そんなわけで、僕の
◆◆
―ネバールの村―
森の奥に小さなテントが立ち並ぶ。どうやらここがトリネコの出身地・ネバールらしい。村人はせいぜい10人といったところか。民族衣装を身に
トリネコ「チョーロ、帰ったよ。」
チョーロ「トリネコか。よくぞ無事で戻った。いや、おぬしが無事でないわけはないと思ってはおったが、それでもわしら年長者というのはどうにもこうにも若人を心配してしまうのが世の常じゃ。して、なにやら見慣れない男がいるの。まぁ、初めて会ったということは当然見慣れないわけじゃが…。して、その男子は。いや男かどうかもわからぬ。とすると、少年か青年かもわからぬな。その者は。」
トリネコ「旅の仲間だ。アルフ、自己紹介を。」
僕「長老様。お初にお目にかかります。僕はアルフ…
トリネコ「……誰」
チョーロ「わしは長老ではない。まだ74歳の前期高齢者じゃ。後期高齢者となる日まで残り329日ある。長老とは75歳以上、
僕「説明はもういい」
トリネコ「まぁ、そういうわけで、ウチはこれからこのアルフと一緒に転売の旅をしてくっから、ヨロシク。」
チョーロ「そういうわけとはどういうわけじゃ。どこの馬の骨…いや鹿の骨か熊の骨かもしれぬ…ともかく、そのような得体のしれない者と冒険をするなど、断じて…決して…絶対に許すわけにはいかぬ。だが許さなかったが為にトリネコがその者とどこかへ逃亡してしまう恐れもある。そういうわけで、わしからおまえたちに
僕「端的に言ってくれ」
チョーロ「このネバールから少し行ったところに、【ひれんのどうくつ】という有名な失恋スポット、つまりは別れの名所がある。おまえたちはそこへ2人で行ってくるのじゃ。見事無事めでたく別れたら冒険の話はなし。ゼロ。ナッシングじゃ。」
僕「なんで失恋が前提なんだよ…まだ付き合ってもないんだが。」
トリネコ「ずっと1人で荷物抱えて旅するのは疲れるからね。いいじゃん。受けてたつよ!で、洞窟からなにをとってこればいいの?」
チョーロ「洞窟の奥に…咲いているのか咲き誇っているのか置いてあるのか飾ってあるのか定かではないが、とにかく洞窟の奥にあるラフレシアの花じゃ。」
僕「一番咲いてほしくない花だな。行く気が失せてきた」
チョーロ「そうじゃろうそうじゃろう。いかなくてもいいのじゃよ。いくもいかぬもおまえたちの自由じゃ。そうだ、おまえたちに旅のお守りをやろう。まぁ、お守りなんて気休めみたいなもんじゃが、ないよりはあったほうがいいじゃろう。トリネコ、お前には【たいようのゆびわ】だ。お
僕「僕を潰す気満々みたいだな…」
トリネコ「さ、アルフ、早く行こ。」
トリネコはたいようのゆびわをはめた手で、僕の手を握り走り出した。
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