第14話 1人プレイ

====前回のぼうけん(?)====

 幻のエロ本【ねとりのしょ】を求め、転売ヤー、トリネコを探しに行くことになった僕達。ダーマシ神殿より歩いて数歩のボンキュール城についた。夜、僕ら4人は相部屋となり、2枚しかない布団で寝る羽目になった。

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ヨーボ「これは、みんなで仲良しネンネするしかないのぉ。ひょっほっほ。」


僕「無理…」


ジュード「俺だって無理だ…」


ニコル「あ!ボク、アルフなら安心だから、こっちのベッドで一緒に寝てもいいよぉ~❤︎」


僕「ニコル、起きてたのか…。色々な意味で困惑するセリフだな…」


ヨーボ「ほれ、野郎3人でこっちで寝るぞよ。」


ジュード「ニコルがカウントされてない…」


 僕とジュードとヨーボのむさくるしい3人組は、仕方なくシングルベッドにひしめき合って夜を越えた。


◆◆◆


♪🎶♩♬♫ 宿屋のSE♪🎶♩♬♫


―朝5時半―


ニコル「ふぁ~ぁ。よく寝た❤︎みんな、おっはよー!!」


ジュード「なんか夜中、地響きがすごかったな…どっかでいくさでも起こってんのか?…ったく、暑いしうるさいし汗くさいし、一睡いっすいもできなかったぜ…」


僕「ヨーボはいびきうるさいし、ジュードはずっとごろごろ動き回ってるし…最悪の朝だ。」




僕「それにしても、初めて一夜を共にした相手が学友と爺さんとはな…」

ヨーボ「いてててて……腰が…腰がいたいぞよ…」




ジュード「おいっ!!!変な誤解を生むセリフはよせ!!!」


僕「心配するな。ヨーボはただの加齢による腰痛だ。」


ジュード「いや、お前のセリフもだよ。」


ニコル「ねぇねぇ、そんなことより、早く壁穴しよーよぉー❤︎」


ジュード「ニコルが言うと余計にアヤシイものに聞こえるぜ…」


ニコル「…あっ!!!」


3人「「「どうしたっ!!!????」」」


ニコル「えへへっ❤︎ヌイーダの生着替え、見ちゃった~!!!!でももう、終わったよぉ~。」


3人「「「ふざけんなっ!!!!!(怒)」」」


 僕ら3人は「反・ニコル同盟」を組み、肩を組んで宿屋の階段を下りた。



宿屋の主人「おやおや。なかがよろしいようで。ゆうべは おたのしみでしたね。」



◆◆◆



ヌイーダ「あら、なんだかみんな、随分顔色が悪いわね。ま、いいわ。ところでヨーボ。トリネコがどんなやつかわかってるの?」


ヨーボ「大量の武器防具を売りさばている転売ヤーということしかわからぬ。」


ヌイーダ「そう。じゃあ、大量の武器を持ってくるやつに、かたっぱしからトリネコかどうか聞くしかないわね。ヨーボ、まかせたわよ。私はカジノにいるから、何かあったら呼んでちょうだい。」


ヨーボ「なぬっ!?ヌイーダ、一緒に来てはくれぬのか…」


ヌイーダ「当たり前でしょ。アンタがまいた種なんだし、自分で解決しなさいよ。」


ニコル「ボクもカジノいきた~い!!」


ヌイーダ「ニコルんにはまだ早いわよ…でも、私と一緒ならいいか。行きましょう。」


ニコル「わ〜い!」


ジュード「じゃあ、その間、俺は城の外でレベル上げとゼニー稼ぎしてくるぜ。」


ヌイーダ「…アルフは?」


僕「ダーマシ神殿に戻って行商人から破格装備を購入し、ここで転売するっ!!!!」


ヌイーダ「アルフの目がこんなに輝いているのを初めてみたわ…まあいいわ、トリネコが見つかるまで各自好きに過ごしましょう。」


僕「やった!!!」


ヌイーダ「待ってアルフ…。まさかとは思うけど、【呪いの装備を高値で転売する】なんて、勇者の風上かざかみにも置けない闇商人みたいな真似だけは絶対にしないでちょうだいね。」


僕「い…いや、まさかそんな。アハハ…。」



◆◆◆



 僕はLV1のままフィールドへ出た。仲間もおらず、装備も心もとないが、転売ヤーになるためなら頑張れる。というか、トリネコってやつがそれで生計立てているんなら、僕も勇者なんかじゃなくて転売ヤーになればいいのではないだろうか。よし、そうしよう。転売用の品の購入ついでに、ダーマシ神殿で商人に転職できるか聞いてみよう。上級職は無理だとしても、勇者なんだから一般職への格下げはなんの問題もないはずだ。


 そんな淡い期待を抱きながら歩いていると、すぐにまもののむれに遭遇した。

 ここは最初の町周辺のフィールドではない。3番目の目的地周辺である。現れた敵は、スラ〇ムではなく、【もののけ】だった。超高音域で相手の心の奥深くを刺す呪文、米良メラを繰り出され、僕は呆気あっけなく しんでしまった。



♪🎶♩♬♫ GAME OVER♪🎶♩♬♫



◆◆◆



???「ねぇ、ねぇったら…」


僕「…???」


 目を開けると視界が真っ暗だった。周囲からコンコンとなにか固いものを叩く音がする。


???「おーい。」


僕「…???…!???」


 突如とつじょ、頭上に光が射し、細い隙間のようなところから可愛い女の子が顔を覗かせていた。



僕(う…うそだろ!????まさか…天使!????)












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