第2話仲間に入りたい

皆んなで、マックでひまを潰していた。

「今日さぁ〜、オレと智子とお菓子食べていたら、掃除道具のロッカーから、例の馬鹿3人が入っていたんだ。何してたんだか分かんないけど、オレらあの3人の悪口言ってたんだ。聴こえたかなぁ」

と、植林はコーラを飲んだ。

「大丈夫、大丈夫。こっちは6人。相手は3人。力じゃ勝つよ!」

と、坪井はチキンナゲットを掴んだ。マスタードをたっぷり付けて口に放り込んだ。

川畑は、

「でも、あの3人、頭が良いから余計怖いよね」

と、一言漏らす。高山は、笑いながら、

「問題ないよ。久美子。でも、あんた大崎君の事好きなんでしょ?」

「……辞めとけ、川畑。大崎は危険人物だよ!将来、痴漢で捕まるよ!きっと」

「細田君、それ言い過ぎ。私は大崎君、カッコいいと思うの。変態だけど。それにくらべて、古屋君と中本君は……」

「しっ!」

植林は川畑の話しを遮り、人差し指を唇に当てた。


「いや〜、古屋隊長。危なかったですな!」

「大崎隊員、どう言う意味だい?」

「我々は、もうすぐにでも三井を犯そう思っておりました」

「私も同感です。隊長。しかし、隊長のお考えは恐ろしい。17歳で悪魔の素質を持ってらっしゃるとは……」

植林らは、顔を隠しバレるのを避けた。


「じゃ〜、ビッグマックセットをば1つ」

と、古屋は注文した。

「お飲みものはいかがなさいますか?」

「じゃ、オレンジをばLサイズで」


3人はそれぞれ、注文してトレイを持って席に座った。

「お熱いですなぁ〜、植林君」


しまった!と言う感じで、

「よ、よう。古屋」

「何だ、皆んな揃ってマックに」

「たまたま、暇で」

「掛けて欲しかった。一言声を掛けて欲しかったなぁ〜、植林!」


「お前らが、教室を飛び出すから……」


プス〜ッ!


「くっせ、何するんだ?中本!」

中本は皆んなに向かって、屁をこいた。


「キツいっス。僕もキツいっス!」

大崎は顔をしかめた。


「な、植林君。オレらも混ぜてよ!」

「何に?」

「この仲良しグループに。悪口の事は気にしてないから」

「隊長、まさかの裏切りですか?それとも降伏ですか!」


古屋は大崎と中本の耳元でささやいた。

「な、なんと、恐ろしい作戦!」

「隊長、それは犯罪ギリギリです。否、犯罪です」

「勝てば良いのだよ、勝てば」


「大崎君。隣に座りなよ」

「く、久美子ちゃん!あ、ありが……」

「大崎隊員、オレ達を裏切るのかね?」

「だ、だって、久美子ちゃんが……」


「ねぇねぇ、皆んなで楽しもうよ」

た、細田が言った。

「え?いいの?皆んな」

「お前らが変な事しなかったら良いよ」

「ありがとう、坪井君」


3人は帰宅部の仲間入りをした。


「でもさ、さっき、何をささやいていたの?」

と、高山が古屋に尋ねた。

「隊長が、植林の前で三井を……」


ドゴッ!


グハッ!


「大崎隊員、機密は喋ってはいけないルールを忘れたのか?」

大崎は鼻血を流している。

「ちょっと、古屋君。めっ!皆んな仲良しなんだから」

「中本!お前まで……」


セイッ!


ウグッ!


古屋は中本の股間を蹴り上げた。中本は悶絶していた。


「古屋君、暴力振るうなら仲間にしないよ!」

と、三井が言った。

「チッ!分かった分かった」


「ねぇ、今度勉強教えてよ!古屋君は英語、中本君は数学、大崎君は日本史。放課後、教室で教えてよ!」

細田が提案した。

ここに、放課後自主予習部が誕生したのだ。


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