肝試し2

大人は白いローブを被った顔の見えない人でした。ですが顔の1部がプラスチックのようになっていたのが見えてゾッとしたんですね。

もちろん私達は抵抗しましたが、大人の力には逆らえませんでした。


私達は右の扉の部屋に連れられて、両開きを開くと食堂になっていて、長机が真ん中においてあり、いくつかの椅子がついておりました。

その椅子に向かい合わせになるように残りの友人達と大人が複数人(20人もしない)立っておりました。

私達も友人達の隣に座らされて、みんなビクビクしながら何をされるのか待っていたんです。

本当はタケシが隣に座っていたので、文句を言ってやろうと思いましたが、緊張感で何も言えませんでした。


すると大人が私達の前に一杯の水を出したんですね。私達は不審がって誰も手をつけなかったんです。

ですが1人の大人が急に肩に手をおいて、もう1人の大人が無理やり口の中に水を流し込むものですので、私達は水を飲み込んでしまったんですね。


ですが気の強いタケシは反抗的になってとうとう大人達に手を出したんですね。

そしたらそれが大人達の逆鱗に触れてですね、タケシは刀で首を切られて死んでしまったんです。

流れ滴る血、動かなくなった友人、初めて見る光景。

それが私達にとっては衝撃が強く、叫ぼうにも声が出ませんでした。


そしたら死体が大人達に持っていかれて、しばらく時間があった私達はその他友人と固まって色々お喋りしたんです。

残ったのは私、カナタ、ソラ、トシアキの4人でした。


カナタが「来なきゃよかった」と後悔していおりました。でもそれはカナタだけに限らず、みんなうんうんと頷いていました。


「まさか夕方なのに人がいるとは思わないだろ。ていうか、お前ら不法侵入だろ!」


トシアキが大声で反抗したんです。

すると大人の1人がメモをとっているだけで、あとは何もせずにただ突っ立っていました。

ソラはずっとブツブツ「神様助けて」と言っていました。

そしたら大人達が「ついて来い」というものですから、私達は素直についていくことにしました。


つれて行かれた先は裏庭のようなところでした。

草が生い茂り、外にいるならこのまま逃げてしまいたかったですが、余計なことをしたら何をされるかわからないので、そのままおとなしくしていました。

大人は私達を横列に座らせて、少し離れたところに並んで達観しておりました。


しばらくしたら大人達が棒を持ってきて、私達の前にさしたんです。

その棒の頂点にはタケシの頭が刺さっていたものですから、また気分が悪くなってしまい、みんな顔をそらしたんです。

でも大人達が無理やり目を開かせるものですから、見たくなくても目に入ってしまったんです。

そこでタケシの頭が燃えているところを見て、より一層私達は怖くなりました。ソラなんて小便漏らして震えており、とても可哀想な有様でした。


そしてまた「立て」と言われたので、私達は大人達に従ってまた食堂に戻ったんです。

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