古墳ウォーズ〜大王の復活〜

ポテトイーターズ

古墳ウォーズ〜大王の復活〜

「僕は勇者の勇間椎夫(いさましいお)!今、僕のいる世界は大変なことになっているんだ!古代の大王が魔王として復活して、1年後にどこかの古墳から世界征服をはじめるらしいんだ!止められるのは僕だけ!頑張るぞお!」


「椎夫、まずは近くにある古墳に行ってきなさい。ワシの見立てでは、吉野町のウホウホ三号墳に魔王を倒すための剣が埋葬されているらしい。」


「なんか獲加多支鹵大王とか書いてありそうだね!師匠!」


「それは知らんがとにかく行ってこい!!」


「はーい!」





ーーーウホウホ三号墳ーーー



「ここがウホウホ三号墳?工事現場しかないように見えるけど…」


「何だ坊主!この工事現場に用があるのか?」


「おじさん、ここに古墳がなかった?」


「ギクッ!な、何のことかな…?」


「古墳だよ古墳!」


「あはは!おじさんそんなの知らないなぁ…!」


「そんなわけないよ!ここにウホウホ三号墳があったはずなんだ」


「うるせえ坊主!死にたくなけりゃあここに古墳があったなんて二度と言うな!」


「ヒイイイイィィィ!!!でも!確かにあるはずなんだ!ここで聖剣を手に入れないと魔王が倒せないんだ!!」


「坊主!工事現場で遺跡が見つかったら最初にすることは何だと思う!?」


「何?」


「隠蔽だよ!!遺跡が見つかったら発掘作業に時間を取られて工事が進まなくなる!補償もないんだぜ!挙句「文化財にしまーす」って言われて工事が中止になることだってある!遺跡が見つかっても利益なんて何にもないんだ!!」


「そんな身勝手な理由で!!」


「うるさい!恨むなら資本主義を恨みな!!これ以上古墳の話をすれば殺す!」


「チクショォォォ!!」




そうして勇間椎夫は追い出された。彼は資本主義と行政システムを恨むがあまり


悪人星人オホホ伯爵になってしまい世界を荒らす存在となった。



もしも社会が遺跡をだいじに扱っていたら…未来は違っていたのかも知れない…。



ちなみに魔王の住む古墳には近隣の工場から排水が入り込み、魔王は人知れず死亡した。めでたしめでたし。

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