3.港の事件
明るい空が、暗くなる一瞬、俺は、本能的に水の盾を出して、ミルファを庇った。
船が、煙を上げていた。
「火事?火事なの?」
「いや、これは…。」
煙は赤みがかった紫で、くねりながら、横に広がり、上に上がっている。色も動きも、普通に物が燃えたようには見えない。
船を見る。サヅレウスが中に連れて行かれたから、船で何かあったと思った。捕らえた時に、確認はしたが、怪しい物は持っていなかったはずだ。
だが、煙の元は、陸の上だった。船着き場近くの無料休憩所だ。三階階建ての、二階の窓が割れている。そこから、煙だけが黙々と出る。
「幻惑術だな。失敗したか。」
とサニディンが言う。
「助けなきゃ、人が。」
とミルファが飛び出そうとしたが、俺は、まず引き留め、落ち着かせた。
煙は上がり続けたが、サニディンの言う失敗らしく、モンスターが出るどころか、煙が襲ってくる様子もない。ジェイデアの一行を見るために、港には人が集まっていて、警官隊(自警団?)もいた。救急隊員もいるようだ。戦闘に手を貸す必要がなければ、避難の邪魔にならないようにしなくては。
ただ、そうは言っても、ワンタイミング遅れて何か出てくる可能性もあるし、犯人が生きていれば逃がしたくない。逸る気持ちを抑え、俺達は、休憩所に向かった。
船からも何人か出ていた。サニディンは、仲間を見つけて声をかけたが、彼らも今来たばかりだ。
「甲板から見ていたら、二階の窓から、急に煙が。サヅレウスも驚いていました。」
中から何人も出て来て、口々に、
「人が爆発した!」
「人から煙が!」
の声。爆発、の割りに重傷者は出ておらず、状況から比較すると、整然としたほうだ。煙の勢いも弱まりつつある。
「あそこ!」
ミルファが叫んだ。二階の窓、マントの人物が二人、テラスの手すりを伝って、逃げようとしている。つまづいた一人が、もう一人に、邪魔だとばかりに、蹴落とされていた。
「下にはガラスがあります!慌てないで!反対に進んで!」
との、警官の声は無視し、指示と逆に逃げる。パニックを起こしているのか、と思ったが、一度、声をかけた警官隊の方を向き、改めて、足場の良くないテラスの上を、器用に素早く進み始めた。
「あいつ、あのマント、爆発した奴の側に!」
と、誰かが叫んだ。
「マントの三人組。」
「二階の改装区域の所に。」
「注意したら、にらまれたから、怪しいと。」
口々に言う人々。サニディンが、一人に、
「あの反対には何が?」
と尋ねた。
「観光用ボート乗り場だ。今日はやってないが。」
要するに、自由な、湖の逃げ道か。サニディンは、聞いたとたん、
「俺は回り込む。」
と、走り出した。俺は、二階に向かおうとしたが、正規の入り口は警官が殺到、手前の外側の階段までは、人が多い。サニディンについて、反対に回り込んだ方が、人がいないぶん、早い、と思った時だ。
ミルファが、逃げる男の足を狙った。正確には、進行方向の足場を狙った。びくついた逃亡者は、足を引っ込めた。二発目。さらにびくついて、反対に逃げるも、入り口から上った、警官に捕まっていた。回り込んだらしい、サニディンの姿が、ちらりと見える。捕まるのを見て、蹴り落とされたマントのほうに向かっていた。
捕らわれたマントは、若い男性だった。少年と言うほどの年ではない。警官に捕らえられつつ、
「離せ、離せ、まさか。」
と繰り返す。本当にパニックを起こした一般人では、と思った。
彼は人族だったが、術は幻惑術だ。そのため、サニディンは、魔族なため、仲間と思われたようで、彼も警官に捕まっていた。俺が進み出て、ジェイデアの一行だと説明し、ミルファが逃亡者の足を止めた事を伝えた。
犯人は興奮して、尋問もしていないのに、ペラペラ喋った。
捕まった男は、新鋭隊が作っていた薬を何本か盗みだし、恋人と共に、逃げるつもりで港に来た。薬は、使うつもりはなく、秘密兵器のようなものだと思い、魔族に売って、金に変えようと考えた。だが、港の監視に来ていた、顔見知りの、教団の構成員に見つかった。親衛隊ではないが、いわゆる戦闘部隊の精鋭だ。ごまかそうとしたが、怪しまれ、思い詰めた女性が、一瓶、飲んでしまった。彼女は会計係りで、薬以外に、金も持ち出していたから、連れ戻されたら後がなかった、と考えたようだ。
その女性は、マントを残して、消滅していた。人族だったので、幻惑術の素養がなかったのだろうが、薬がそもそもどういう物かわからない。飲んで使用する物だったのか、も不明だ。
サニディンが上手く言いくるめて、警官に渡すときに、三本ばかり失敬していた。一瓶は小さく、中肉中背の大人の女性が、片手で隠し持てる程度だ。
中身は、ワイン色の液体だ。純粋なワインより透明度は低いが、沈殿物は見られない。蓋は蝋で封じてあった。
「事情はわかったがな、あんたが蹴落とした男、意識がない。割れたガラスの上に、二階から落としたのは事実なんだから。」
警官が、彼の手を拘束して、連行しようとした。ミルファが、
「このままで、いいの?」
と言ったが、サニディンは、
「奴から聞き出せる事は、もう無さそうだ。会計係りだった、女性の方が残ってれば、背景を探れたかもしれないが。」
と答える。
「彼の言葉を、額面通り受けとるならね。」
俺がそう言うと、ミルファが、
「どういう事?」
と聞き返してきた。
「蹴落とされた男性のほうが、彼女の恋人だったかもしれない。」
恋人だった、という割りには、今の彼の振る舞いが、妙に割りきった物に見える。あくまで俺の主観だが。
「そういう事なら、交渉してくる。ラズーリは一緒に来てくれ。ミルファは、仲間に言って、サヅレウスを面通しさせてみるから、準備するようにって、頼むよ。」
サニディンは、俺を連れて、警官の所に行った。交渉ならサニディンの方が上手く、俺が役に立つか疑問だが、魔族の彼一人だと、難しいと思ったのだろう。
捕まった男性は、「ギ・ナドライオン」という、変わった名を名乗った。サニディンが、「南東諸島か。」と呟いた。
ナドライオンは、自分は、教祖の客分であるサヅレウスを知っているが、向こうは正確に覚えているかわからない、と、最初は面通しを渋っていたが、サニディンが、「船の上は地元警察の管轄外」と、暗に逃亡の可能性をほのめかしたら、承知した。この地方では、各港から一定の距離の範囲は、その港のある自治体の管轄になる。停泊している船なら、甲板の上でも、ハイコーネの管轄だ。警官は、わざとかサニディンの発言を訂正しなかった。
ナドライオンは手を拘束、警官四人が前後左右に付く。一行の先頭には、場の責任者らしい、「ドルワイトス」と名乗る、年配の男性が立つ。
俺達は、船に向かった。仲間がサヅレウスを連れて、乗船口に出てきていると思ったのだが、甲板にいるようだ。
上がると、サヅレウスを囲んでいた、ミルファ達仲間が、一斉にこっちをみた。
仲間の一人、青いマントの魔導師が、俺達に近付き、
「あれ?引き渡すのか?」と聞いてきた。サニディンは、
「ああ、違うよ、アントン。さっきの騒ぎの件でな。教団のメンバーらしき人物の面通しだ。」
と答えた。
急に、叫び声が上がった。高い声。女性の声だ。
赤いターバンの女性兵士が、サヅレウスを指して、叫んでいた。彼女は、転んでいた。突き飛ばされたようだ。
突き飛ばしたのは、サヅレウスだった。彼は、ミルファを背後から羽交い締めにして、
「寄るな、近付くな。」
と叫んでいた。武器は持っていないが、力を込めて、ミルファの首を捕らえている。
「武器を寄越せ!」
と怒鳴る。ミルファは銃の他、腰にナイフも装備していたが、気がついていないようだ。
ドルワイトスは、
「渡せと言われて、渡す馬鹿がどこにいる。おまえこそ、彼女を離せ。か弱い女性を…。」
と、ドスの効いた声で続けた。アントンが、「魔法で…。」と小声で言った。赤ターバンの女性が、
「渡すから、待って。」
と、サヅレウスの気を引いた。アントンが、
「おい、ルビナ。やめろ。」
と、わざとらしく口論に入る。俺とサニディンは、魔法と剣で、攻撃の準備をした。ミルファに当たらないように、算段をしながら。
ところが、サヅレウスは、急に弾け飛び、背後に転んだ。ミルファは一緒に転びかけたが、ルビナが手を引いた。サヅレウスは、足を抱え、うずくまっている。
「…か弱い女性を…」
とドルワイトスの声が呟きになった。
ミルファが、背後のサヅレウスの向こう脛を、踵で思いきり蹴飛ばしたのだ。彼は上半身には簡単な革の防具を着けていたが、下半身の守りは簡素で、脛当ては着けていなかった。
俺はルビナからミルファを受け取り、怪我はないか、と尋ねた。彼女は、ない、と答えたが、手に少し擦り傷が出来ていた。
回復をかけると、礼を述べてから、
「習っといて、良かった。」
と、多少苦しそうに言った。
「ラール直伝か?」
「うん。『あんたは、痩せて力も弱いんだから、全身の力を込めて、思いきりやんなさい。』って。グラナドからも、『土魔法なんだから、盾を出して殴るか、拘束魔法を上手く使え。』って教わったけど、そっちは、余裕なかった。」
風魔法使いで、素早さと物理攻撃力に補正を受けていたラールは、女性の身ながら、直接攻撃が得意だった。初めて彼女に会った時、元傭兵の男性三人を、地面に沈めていた事を思い出した。
「か弱い…かどうかは別にして、女子供を盾に取るから、そういう目に会うんだぞ。」
とアントンが言っていた。ミルファは、可愛らしく拗ねて、
「あ、どういう意味ですか。」
と言った。仲間も警官も笑ったが、俺は笑いながらも、剣を構える。
サニディンは、
「まあ、そうなるか。」
と、見せつける様に強化魔法を使い出した。
「え、どうしたの。」
と、ミルファが問いかけた。アントンは、サヅレウスに回復をかけていたが、俺達を交互に見たが、はっと盾を出した。ルビナも、サヅレウスを庇う様に立つ。
「おとなしかったマツダオスが、あんたを見て、狼狽して、こういう行動に出たって事は、ラズーリ、お前の予想が、当たったな。…特殊部隊、いや、先陣部隊だったか?それは、あんただな、ナドライオン。」
サニディンが、言い放った途端、ナドライオンは、今までの、いかにも純真な若者と行った表情を崩し、薄青い目を――最初からこんな色ではなかった――を、白く輝かせた。烈風が起き、警官が吹き飛ぶ。背後にいた一人は、それでも上手く避け、直撃は回避したが、武器を飛ばされていた。
だが、ナドライオンは、逃げようとはしなかった。マツダオスに向かって、ウィンドカッターを、無数に出す。だが、仲間達の盾と、俺の魔法剣に阻まれた。サニディンが、その隙に、相手を殴り、気絶させた。
「人族だし、薬も取り上げた、手も拘束しているから、大した事は出来ないと思ってたが…。ちと、甘かったか。」
サニディンは、笑った。俺は、
「魔法は、間合いを考えないとね。ウィンドカッターなんて、特に。近場で、立ち止まって使うもんじゃない。」
と答えた。先陣部隊と言っても、薬で強化しなければならないということは、素では、それほど強くないのかもしれない。
ドルワイトスは、部下に、
「エレディかハンナを呼んでこい。いや、それより、このまま、本部ではなく、設備のある、特別棟に連行する。」
と言った。だが、部下は、
「一昨日の銀行の件で、一杯です。本部に連中を移してからでないと、門前払いですよ。」
と答えた。教団絡みかどうかわからないが、一昨日も何か会ったようだ。湖の件もハイコーネの管轄、警察も慌ただしい。門前払いは、大袈裟だと思うが。
サニディンが、落ち着いた口調で、
「この船には、魔法使いもいるし、設備もある。そっちの準備が整うまで、ナドライオンはあずかろう。」
と言った。ドルワイトスは、気が進まないようだった。サヅレウスは、ハイコーネでは、何もしていない。だから、ジェイデアが連れていったとしても、警察としては、関係がない。だが、ナドライオンは、港で事件を起こした。船に留めて、どさくさに紛れて逃げられる、俺達に連れ去られる、という事態になったら、困る。それで、ためらったのだろうが、こちらが、ドルワイトスとその部下たちも一緒に、と申し出たら、なんとか承知した。
俺とミルファは、警官達と共に、ナドライオンの見張りに付いた。彼は気絶したままだったので、見張るだけなら楽だったが、チブアビ団の時に、意識のない子供に、暗魔法が作用し、操られたのを見ている。万が一に備え、牢(鉄格子のある船室)に閉じ込めたが、ドルワイトスの強い希望で、念のため、睡眠魔法をかけた。
取り合えず、俺達は、交代で食事をし、警官三人(二人は、本部に戻った。)が先に、俺とミルファは、後から食堂に向かった。
船は華美ではないが、非常に立派な物だった。確か、解放した土地の領主から貰った、とトパジェンが言っていた。
食堂には、「いつもの」コックがいた。ミルファの顔を見て、ケーキに生クリームをたっぷり乗せた。なぜか、俺の分にもだ。嫌いではないが、これはミルファにあげた。
「わあ、ありがとう。」
と、本当に嬉しそうに食べる。ラールもキーリも甘いものは苦手だったが、ミルファは違うようだ。
痩せているわりには、よく食べるな。サヤンほどじゃないが。この年頃の少女は、必要以上に痩せたがり、ほとんど食べないで病気になるものもいるが、武器にしても魔法にしても、闘うとエネルギーを消費する。ラッシルは雪国なのでそうでもないが、コーデラの昔の上流階級の女性には、ほとんど食べないのが淑女、という風潮があり、一時は、拒食症で倒れる人が続出した、という。事態を憂えたエイランス四世は、王妃マルギットに相談し、食べ放題の晩餐会を開き、王家の女性が積極的に食べる姿を見せて、風潮を変えて、解決した、というエピソードがある。
真面目に貴族をやれば、疲労と心労で痩せる一方だ、と、エスカーが言った事がある。
ミルファが食べ終わる頃を見計らい、飲み物を取りに行った。俺はお茶にしたが、ミルファの分は、ソーダ水にして、クリームを入れて貰った。
ミルファは、ありがとう、と受け取り、これも美味しそうに飲んだ。
「子供っぽいかなあ?」
と、俺が笑いながら見ているのを、誤解して問いかけた。その様子が可愛らしくて、また笑ったが、
「ラールが、旨い酒を飲むときの様子に似てるな、と思って。」
と、説明はした。嘘ではない。
「お酒かあ、私、二回しか、飲んだことない。」
これは意外だ。ラッシルは寒冷地のため、飲酒可能年齢の定めはあるが、冬は場合によっては、一時的に引き下げられる事があるくらいだ。ましてラールの娘だ。
「三才くらいの頃かな、ミルクのカクテルを間違って飲んじゃって、大変な事になった、って、聞いたわ。覚えてないけど。
後は、十歳の時、コーデラで、グラナドが、『調理場からくすねてきた。』って、ワインかな、一緒にこっそり飲んだ事、ある。これも大変な事になったらしくて、母に、すごく怒られた。グラナドは陛下に絞られて、やたら謝ってくれたけど、覚えてない。
よくわからないけど、ラッシルに戻ったら、女帝陛下からも、『もう、いっそ、二十五歳まで飲まないように。』って、言われたの。
本当に、覚えてないんだけどなあ。グラナドに聞いても、『その話はするな。』って、教えてくれないし。」
ミルファは、「自分で飲ましといて。」と結んだ。
…これは、飲酒可能年齢でも、飲ませてはいけないタイプだ。ルーミとは別の意味で。
魔法能力が高い者は酔いにくく、結果として強くなるが、それよりも、やはり体質で決まる。ラールは底なしだったが、キーリはあまり飲まなかった。狩人族は、あまり酒を飲まず、単に苦手だったようだが、飲み過ぎで、ミルファと同じエピソードがあったのかもしれない。
「まあ、そうだね。無理して飲んでもね。ラールとの飲みくらべでも、後が大変だったからなあ。」
「え、ラズーリさんが?」
「ああ、俺は後始末係りだよ。ラールは酔わなかったが、ルーミが…。」
今更だが、口が滑った気がして、つい、言い澱んだ。もう、秘密ではないのだが、つい、習慣で、というやつだ。
「ラズーリさんは、やっぱり、今でも、ずっと、陛下一人の事が?他に、好きな人が、出来たりしないの?」
わずかな澱みが、話を変えた。ミルファは、先程より、深刻な顔をしている。俺は、「えっ?」と言うだけ言って、ミルファの顔を見つめた。
彼女の瞳には、一瞬、心配したような熱はなかったが、真剣な物があった。本当の事を言うしかない、つまり、「そうだよ。」と言えばいいのだが、返答が遅れる。ミルファは、重ねて、
「新しく始める事は、しないの?こっちに、ずっと、いるんでしょう?」
と質問した。
「それは…まあ、そういうのには、相手がいなきゃ。」
と、俺は答えた。ずっと居られるわけではないので、ミルファの関心がそこにあるなら、はっきりとした答えは、考えなくては、と思った時だ。
「グラナド…。」
と、食堂の入り口から、女性の声がした。グラスを取り落としそうになった。
見ると、グロリアとイシュマエルが、連れだって入ってきた。
「…が居るから、大丈夫でしょ。彼、冷静だし。」
と続けながら、俺たちを見て、
「追い出されちゃったのよ。イシュマエルが、リアルガーを殴りそうになったから。」
と言った。
「でも、あんたが出なかったら、私が殴ってたかもね。」
イシュマエルは、グロリアの肯定に、意外な顔をしていた。
話し合いの席で、リアルガーは、「ご都合主義で、いやらしい教義」を、熱烈に語り尽くした。その中で、ジェイデアは愚か、教主の女性でも、顔色を変えるような事を、とうとうと述べた。
「確かに、彼等の教義には、あってるんだけどね。でも、あいつの仲間も呆れてた。あれは予想してなかったみたい、シェードも茫然としていた。グラナドは落ち着いてたけど、セレナイトには、青筋が立ってた。あれは、もうだめね。
理想は、お開きの時に連れて帰る事だけど、一度、遺跡に戻っても、追い出されそう。」
もっと具体的に聞きたかったが、イシュマエルは、思い出すのも腹立たしい、と言わんばかりに、サヅレウスを見に行く、と、不機嫌そうに出ていきかけた。
すると、船体が、一度だけだが、大きく揺れた。何事か
と、色めき立ったが、ルビナが現れ、
「ナドライオンが目覚めて魔法を使おうとしたから、サニディンが『静かに』させた音よ。」
と説明した。
ナドライオンの名前は、初耳だった二人は、そのまま、様子を見に行こうとしたが、コックが、何か食べろ、と言ったし、見張りは俺たちの仕事なので、入れ替わりに戻ろうとした。
すると、また、にわかに騒がしくなり、アントンが、ルビナと同じように、駆け込んできた。
「ナドライオンが!」
俺達は、食堂を飛び出した。
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