第2話 やり直し
うんうん。
なるほどね?
何も分からなかったよ。
私の眼の前に龍さん(仮称)がいる理由が。
一応ここは洞窟?っぽい。
外からの光が差しているから、洞穴ともいうかもしれないけど。
ってか見た目真っ黒だなぁ。
ブラックドラゴンとかいうやつ?
いや、黒龍か。
つまりバハムート?
んー。でもこの子、四足歩行+羽の方―――お父さん曰く西洋龍タイプじゃなくて、ニョロニョロ+腕の方―――お父さん曰く東洋龍タイプなんだよね。
あれ?でも、バハムートの元ネタって、でっかい鯨って『霊界』の英霊さんが言ってた気がする。
まあ、どっちでもいいや。
多分関係ないし。
まずは話をしない限りは何も始まらないし話でもしてみようかな。
あー、でも敵対でもされたら面倒だなぁ……。
まあ、なんとかなるでしょ。
「大きな龍さんこんにちは〜」
「………」
ん?
無視?
いやでも、目はしっかりこっちを見つめてるんだけど。
後ろになにかある?
……何もないし。
「なによ!振り返った私が馬鹿みたいじゃない!」
ツンツンお嬢様風に言ってみたけど…。
「………」
なんでぇ。
ガン無視って結構凹むんだけど。
ってあれ?
今思い出したんだけど、私の言葉って通じてるのかな。
龍って結構高位な生物だから言葉自体は理解できるかもしれないけど、私がこの世界の言語を知らないからなぁ。
ってか今私が話している言語も”霊界語”だし。
通じないかも。
言葉が通じないのはちょっと不味いね。
ってわけで、
「『霊界接続』」
もう1回『霊界』と接続する。
そんで、『霊界』の民のうち、この世界の住民を探してっと。
………。
うーん。『霊界』人口が多すぎてどこにいるか分からない。
これでも霊のごく一部なのになぁ…。
探すの面倒くさいからもう手っ取り早い方法を使おうかな。
ちょっと頭痛はするかもしれないけど、まあいいでしょ。
「”霊”、限定発動、『知識蝟集』、『リュドゴン』言語」
今言ったことを簡単に説明すると、『リュドゴン』という世界にある言語を集めるってことね。
発動した瞬間に、私の掌の上に『霊界』のところどころから光の玉が集まってきた。
集まってきて、そこそこ大きくなったそれを圧縮して小さくする。
綿飴を小さくする的な?
丸薬ぐらいの大きさになったそれをゴクッと飲み込んで、ついでに水も飲む。
水は正直飲まなくてもいいけど、ほら、粒薬って水飲むでしょ?
そんな感じ。
うーん、無味無臭。
美味しくないね。
まあ、知識の塊だし。
うー、頭痛っ。
キンキンする。
まあ冷たいもの急に食べたみたいな?
今起きてるのあれ。
………ちょっと休む。
おやすみー。
…
……
………
起きた。
まだちょっとだけ痛いけど問題なし。
急激な情報量の吸収は良くないね。
頭痛くなる。
じゃあ、さっきの『リュドゴン』、今度こそ行ってみよー!
「『霊界接続』レッツゴー!」
………。
えーっと。
黒龍さん、いないんだけど。
「もしもし?黒龍さんいらっしゃいますかー?」
大きな声で、現地語で聞いてみる。
………。
へんじがない。ただのくうかんのようだ。
んー。面倒。
光も差してるし、外に行ってみようかな。
あー、でもすれちがい通信したら嫌だなぁ。
すれちがい通信って何か知らないけど。
霊界の(自称)ニートさんが一度も緑色にランプが点灯したことないとか言ってた。
どーゆーこと?
まあ、今はいいや。
どーしよっかな。
……よし、待とう。
いつかは来るでしょ。
暇だし、寝ようかな。
付近の枯れ草を集めて、自身を完全霊化させてからごろんと転がる。
感覚はないけど、地面に直で寝るよりは気持ちがいい気がする。
ちなみに、完全霊化した理由は襲われる対策ね。
物理攻撃は全て透けちゃうから大丈夫。
魔法とかの攻撃もすり抜けることは確認済みだよ。
そもそも命の危機に瀕したらしたで対策は取ってあるし。
ってわけでもう一度おやすみー。
ぐー。
zzz。
〜〜〜
※???視点
ん。
ようやく来た。
…寝た。
あたしも寝る。
おやすみ。
ぐー。
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