神格を得たけど特別なことはせずにいつも通り旅をします
野小路(のこじ)
第1話 神格ゲット
「貴女には神格が芽生えてます」
「そうなの?」
「はい。貴女から神格のエネルギーを感じるので」
どうやら神格を得たっぽい。
ちょっとラッキー?
「まあ、いつも通り過ごすけど」
「ご相談、ありがとうございました。次回もご利用ください」
多くの世界の
そんな所に神格を得たらしい私こと
名前が地球という世界にある日本人っぽいのは……まあ今は話さなくても良さそうかな。
ん?私の見た目?黒髪ロングの黒目で他称和風美人だけど?
ちなみに、私はまだ地球には行ったことはない。
まだと言ったように、いつかは絶対行きたい!
そもそもどんな文化か、とかどんな文明度かも知らないから行った時が楽しみ。
そういえば、セカイ相談所ってのは、『根幹世界』ごとにある相談所のことね。
いろんな相談に対応してくれて、願いを叶えてくれるよ。
例えば、『我が家のネコを探してください』とか、『ゴミ捨てをお願いします』とか。
え?クソどうでもいいこと?
うーん。結構どうでもいいことだけど、そもそも『根幹世界』にたどり着くことが難しいから大抵の願いは叶えてくれるよ?
まあ、そんな所までたどり着く程の力があれば大体のことは自分で解決出来るから『力が………欲しい』とかは滅多に無いらしいよ。
だからこそ、日常のちょっと面倒な事を叶えるために使われるっぽい。
たまーに私のようなガチ相談もあるけどね。
ちなみに、私はこんな感じに相談したよ。
『なんか最近身体の奥から力が湧いてくるんですけど』って。
そしたら神格を手に入れてたもんだからびっくりだよ。
そろそろ神格について見ようかな。
「『自己情報開示』」
あ、『自己情報開示』ってのは、『根幹世界』でのみ確認することの出来る、言わば『ステータスオープン』だね。
ちなみに、自己情報について事細かく書かれてるから結構面倒だよ。
………一部を隠さないと過去の経歴や自分の体重とかスリーサイズまでバレちゃう。
まあ私は胸はたわわなわけでもないし、絶壁様でもないからあんまり被害は無いけど。
どうでもいいけど、この『自己情報開示』さんだけど、よくある(ないけど)”ステータス画面からステータスをいじる系”の能力でいじっても自身は強くならないから注意ね?
ここ、テストで出るよ?(出ない)
ってなわけで私の自己情報、いっきまーす!
はい、ドン!
〜自己情報〜
・身長
163cm
・体重
43.6kg
︙
ちょっ!!何バラしてくれてるの!?
能力のところだけ残して………。
ほいっ、ドン!
〜自己情報〜
・自身が持つエネルギー
霊力
・能力
”霊”
霊力源泉
霊界接続
・神格
霊なる神格
︙
まあ、つまること、私は霊神ってとこかな?
ん?能力を明かすのが早い?
んなもん知らないよ。
そもそも私、あんまり戦闘は好きじゃないし。
英雄気取りで戦争には参加もしないし、そもそも知り合いとかでもいない限り戦いとかには不介入を貫くよ。
まあ、必要になればするけど。
平和を願いすぎて、絶対に戦闘をしなかったとある人はいろんな人から命を狙われて、すぐに死んでしまったからね。
つまりは適宜判断してかないといけないってことよ。
んじゃあ、そろそろいつもの旅に戻ろうかなぁ。
ってわけで、次の世界は何処へ行こうか。
世界案内図をペイっと開いて、考える。
あれ?ここって行ったっけ?
根幹世界No.A14191世界番号819268の『リュドゴン』っていう世界。
行った覚えが無いんだよね。
ま、行った覚えがなければそれは行ってないに等しい!
ってわけで行くか!
「『霊界接続』」
まずはあらゆる”霊”たちの住処である『霊界』と自身を接続、そんでそこから『リュドゴン』と『霊界』を繋げて、と。
『霊界』との接続はできてるから、その繋がりを使って『霊界』に移動っ!
移動は一瞬で終わる。
まあ、接続からの移動とは言っても、上の次元をたどってショートカットしてるだけだけどね。
…うん、移動できてる。
移動方法は、『霊界』や『冥界』とかの1つの役割に特化した世界――まあ『亜世界』っていうんだけど――はあらゆる世界と繋げることが出来るからその仕組みを利用して移動しただけだよ。
そこからさらに『リュドゴン』まで移動っ!
レッツゴー!
さっきと同じく一瞬で移動が終わったっぽい。
よし到着完了って………え?
私の眼の前には―――。
―――なんかでっかい龍さんがいた。
===
新作です。
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