第12話 人との昼食
キーンコーンカーンコーン。
4限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
この音が鳴ると、購買に人気のパンをいち早く買うために走り出す奴や、弁当箱を持ってた教室から移動してくる奴らと様々な行動が見られる。
「僕も行くか」
例にももれず、いつも通りの体育館裏に行こうとする僕に後ろから声がかかった。
「やまちゃんどこ行くのさ?」
「今日は一緒に食べるって約束だろ?」
今朝の2人だ。しかも後ろにたくさんの仲間を引き連れて歩いている。
「いや、僕はそもそも一緒に食べるって言ってないし友達じゃないし」
なるべく早くいつもの場所へ向かいたかったので、しっかりと思っていたことを口にすると、彼らは問答無用と言わんばかりに僕の腕を引っ張ってきた。
「だから今朝友達になったんだって!早く食いに行くぞ」
そう言いながら彼らは僕を屋上へと引きずっていった。
屋上には僕たち以外には誰もいなかった。
それに加えて今朝の2人以外にもあと4人仲間がいたので、すごくいたたまれない気持ちになりながらご飯を食べ始めた。
「やまちゃんってなんでいっつも1人なの?」
おそらくこのグループのリーダーであろう哲也くんが聞いてきた。
「1人が好きだからです」
早くこの場を去りたい僕はそっけない態度で答えた。
「ふぅ~ん。変わってるね」
彼らは笑いながら僕にたくさんの質疑をしてきた。
そこまで度が過ぎた内容の質問はなかったが、適当にあしらいながら答え、はやくこの時間が終わらないかなとご飯を食べ進めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます