第3話
ここからは私の夢になるが、とても長い夢物語だった。
私は何処かわからない列車へ出向くと、乗ってしまった。
いや、やはり乗らない方がいいかもしれない。
だって私はあの想い出に居ないのだから。
「どうしますか?無賃でいいですよ」
「え?」
私はどうしてと考えるよりも先に、死んでもいい覚悟で乗り込んだ。
そうまでしてお父さんに逢いたかったのだろうか。
「乗ります」
私は冗談めかして、きさらぎ駅までと言ってみる。
すると「はい、分かりました」と。
親切に冗談で返した車両さんに御礼を言いたかった。
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