第4話 喫茶店の窓際

いつもの喫茶店で、窓際の席に座る。

窓の外には、古びた商店街が見える。


ここに来ると必ず思い出すのが、あの日、隣の席に座っていた見知らぬおばあさんだ。


あの時も窓際の席でコーヒーを飲んでいた。

ふと横を見ると、おばあさんが静かに座っていた。


白髪が美しく整えられ、品の良い洋服を着ていた。

そのおばあさんは、私がコーヒーカップを手に取ると、突然「その飲み方、お母さん譲りかしら?」と話しかけてきた。


びっくりして振り向いたが、おばあさんは微笑んでコーヒーを飲みながら続けた。「あなたの仕草が、私の娘にそっくりでね。」


それから、私はその喫茶店で、誰かの面影を探すようにコーヒーを飲む癖がついた。


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