02_銀髪メイド少女の雨音肩叩き(雨・肩叩き)

//02コンセプト

//いきなり距離感バグり散らかしたな?

//開幕驚かせつつ、そのまま癒やしASMRしていく

//二人の関係や01~02の空白、少女についてだんだん考えたくなる

//場所はベッドの上。貴方の肩を少女が叩いている

//雨が降っている

//02の途中、少女が決断するタイミングで01からのごちゃごちゃした話は終わり、二人が近づいていく



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(本編)




【部屋越しの雨】

【よわよわ肩叩き】

//同時再生のBGS(基本ずっと鳴ってる音)





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//トラック01と変わらず淡々と。けれど後方すぐそばから声がする


「ありえませんね」




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//上の台詞の直後


【貴方の衣擦れの音】

【肩たたき音中断】




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//上の貴方の動きの直後に微かな悲鳴。

//ただしかなり弱めの悲鳴。びっくりしたけどそんなに怖くない

//貴方が途中で振り向くのをやめたので


「っ!」



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//少し沈黙




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//トラック01より少し緊張がほぐれている。でもすましてはいる


「ありがとうございます」




【肩たたき再開】




//すました感じで自分の雑魚具合を普通に語る


「ええ。この距離で振り向かれると、私はただではすみません」





//さらっとトラック01後半ではしなくなった旦那様呼びにもどっている。


「旦那様、察しがいいですよね。いえ、過剰に気を配りすぎているだけでしょうか。ああ、そんな気がしてきました」





//「です」はつけない。貴方への言葉ではなく自分の中での貴方像を修正している。


「察しはむしろ悪い」





//次は貴方に向けている。アイロニカルでつんとした親しみ


「まあ好都合ですが」




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//若干気が抜けて無防備な声


「いいですよね、肩叩き」





//ここも自分と話してる感じなので敬語なし。でもわざと口にして貴方に聞かせている。怖がらせないでね、という念押し。脳天直撃は不意打ちなのでそれまでと調子変えずにフラットに言う。


「完全に背後をとれる。座っているから貴方はすぐには動けない。怖いのは急に振り向かれることくらいで……むしろ急所は私が握っている。脳天直撃」





【肩たたき音中断】

【貴方の頭を少女が手刀で叩く音】





//少しの間。貴方は責めないし、振り向きもしない。静かにしている。


//怖がりな少女の試し行為。貴方は合格した。


//暗黙の了解なのでいちいち台詞にはしない。





【貴方の頭を少女が軽く撫でる音。できればがさつでなく表面を軽くな感じ】


【肩たたき音再開】


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//日常の言葉遣いで「閑話休題」とか素で言う子


「閑話休題。ありえないという話です」





//ただの事実を言う感じ。「13回」の後は結構ウェイトもって。


「13回。旦那様の部屋で仕事を完了した回数であり、私の経験した仕事の総数でもあります」




//つまりトラック01は初仕事。気づけても気づけなくてもいい。




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//少しの間




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//ぽつりと言う


「奇妙ではありませんか?」




【肩たたき音中断】




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//少しの間




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//貴方が奇妙さについて何か推理を言う。


//聞き手からすると貴方の言葉は謎


//トラックを最後まで聞くとこういうこと言ってそうかな感がふわっとつかめるかも?


//でも聞き手の解釈でよい


//冷静さは失しないものの少女は若干面白がっている



「名探偵。いいえ、ただ愚かなのでしょうか。その発想はありませんでした。貴方にはそんな意味で奇妙なんですね」






//少しの間。淡々と。


「私の理由は違います」




【肩たたき音再開】


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//宣告するように


「パッケージ」






//少しの間


//事実を述べるように


//「メイドさん」ではなく「給仕」と素で言うタイプの子


「私たちがやっていることは、給仕の派遣ではありません。請負。単発の仕事の完成です。給仕……メイドオブオールワークに近いですが、仕事はあくまで単発。貴方の場合、期間指定は一日」


「単価は高いですし毎回毎回煩雑になりますけど、貴方がそうしたいなら期間指定は一日でも可能です。私としても、いつでも逃げられるのは嬉しい」






//少しの間。やや緊張をもって。


「でも、おかしいんです」




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//怜悧な探偵が情を込めず犯人を追い詰めるように。


「旦那様、つまりお客様。顧客はスタッフを指定できない。私たちが提供しているのは仕事の完成。完了。請負です。契約に基づいて仕事を終わらせる。私たちの義務はそれだけ。貴方にスタッフを指定する権利はありません。仕事さえ片付けられるなら、誰でもいい」






//トドメ。耳元でささやく距離感ではまだない


「偽装請負。貴方が言おうとして、私がもういいと止めた言葉です。請負と言いながら実質雇ってしまうのは違法だと、貴方はご存知ですよね? 私は貴方のところで仕事をするよう毎回指示を受けます。ネット上でパッケージとして提供しているはずなのに。フォームで私を指定できないのに。なぜか毎回私は貴方の所で仕事をしています」





【肩たたき音中断】





//ほんの少し心配して


「パッケージにない密約をしていませんよね? 私の知らないところで。勝手に一人で責任を負っていませんよね? 無茶していませんよね? おかしいと思って訊いても、世間知らずだと。慣れた信頼あるスタッフを送り込むのはこっちの都合で、貴方は何も言ってないと。当然ですけどそう言われるんです。そうとしか言えません」





「でも貴方は私と密約しましたよね。お互いに誠実にと」





【貴方の髪を少女がくしゃりと撫でる音】





「貴方が私のために振り向かなかったように、誠実に。私も貴方のために心配しています。そもそも、私たちはおかしいんです。なぜ私なんかを雇い続けられるのか。雇ってくれたのか。どうして経営がうまくいっているのか。私たちは、実はよくないものなんじゃないか。貴方と関わらない方がいいんじゃないか。そんな悪い組織と、貴方は密約を交わしていませんよね? 私たちの間の悪いことは、私と貴方の密約だけ」






//少しの間


//ほんの少し不安そうに


「信じていいんですよね?」






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//やや長めの沈黙



【ずっと鳴っていた雨音が強くなっていき、強雨に落ち着く】





//強雨のまましばらく沈黙





//信じると決めて、少女は何も聞かないことにした。


//これ以降ごちゃごちゃした話はきっぱりなくなる。信じたので





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【肩たたき音再開】



//淡々と。完全にいつもの調子で。全てなかったことに。


「13って何を思い浮かべます?」



//「て」と「何」の間にウェイトを入れない。一文を滞りなく淡々とすっと流す




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//ややからかいの色が入った喜色。でもつんとした距離はそのままに


「占い好きなんですか?」





//興味津々。耳元とはいかずとも声が一時的に近くなる。


「他には?」





//こらえきれずふきだす。あくまで上品に。小さく。


「っふふ……また占いじゃないですか」






【肩たたき音中断】


【貴方の髪を少女がくしゃりと撫でる音】


【肩たたき音再開】






//ベースは崩さず少し気安くなる


「旦那様の本棚、だんだん変な本で埋まっていきますね? 私の趣味に染まっているみたいで気分がいいです。ちゃんと読んでいるようですし。人を染めるのは……なんだか背徳的です」






//若干知ったかぶる


「当たるも八卦、当たらぬも八卦。旦那様の答え、ひとつは大外れです。13。同人卦。あるいは天火同人。ええ、同人。旦那様には親しみ深い言葉かもしれませんね?」






【貴方が動揺して身じろぎをする音】






//ここでこの子は怖がらない。笑う。


「ふふ。毎回きちんと隠しているので笑ってしまいます。構いませんよ? 小さな銀髪のメイドさん、妙な本が増えても私は全く気にしません。さらさらと長くすべらかで、つんとした顔。青い流し目。誰かに似ている気がしますが……誰でしょうね」






//やや格式張って


「人生、それはわからん。しかし、世の中は、色と慾さ」






//少し恥じ入る


//この「知ってました?」は単なる質問とも「知ってたんですね、そうでしたか」とも捉えられるような感じで


//肩叩きのオノマトペのようにも、タイトルを教えているようにも


「太宰です……知ってました? トカトントン」


//太宰は狙いすぎて恥ずかしいタイプの子




//この咳払いは小さな無声音で。こほんとは言わない。


「んんっ……同人の話です」






【貴方がまたしても動揺して身じろぎをする音】






//許す感じで


「小さな銀髪メイドの話は忘れてください。しませんから。同人卦。易経では天候について何か言っているわけではないんですけど、同人とは天火。ふたつの属性、天と火の組み合わせです。天気を指すなら普通快晴と言われます。空と炎だと思うとそんな感じがしませんか?」




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//少し沈黙。肩叩きと「強雨」を意識させる。






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//少し落ち着いて。淡々とした色に。でも距離は縮まっているように。優しい感じ


「だから大外れと言ったんです。当たるも八卦、当たらぬも八卦」





//同じく優しい感じで


//デスはかっこつけず日本語っぽい感じで流す


「私が本を買わせたせいでしょうか。旦那様の13、もうひとつは死神でしたね。あるいは死、そのもの。デス。もしくは無記名。トカトントン。まあ、ろくでもありませんよね。字面だけでも最悪といった風があります」





「ですが」





【肩たたき音中断】





「タロットには正逆があります。正位置と逆位置。私は、貴方が逆位置で出したと思ってるんです。答えは言わなくてもいいです。私にとって、貴方はそういう人。というだけ。大外れの快晴予報をして、ひっくりかえして死神を出した。おしまいじゃなくて、リスタートなんだって。ふふ、ねじ曲がった誤解だということはわかっています。重要なのは、そこじゃなくて。もし貴方に知識があれば、それくらいの気配りをしてくれる優しい人だと私は思っているんです。もっとも……察しの悪い人だとも思っていますから」






//上の台詞の間ずっと撫でている感じ


【貴方の髪を少女がくしゃくしゃ撫でる】






//困ったように笑う感じで


//肩叩きは再開しない


「自己矛盾ですね」






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//やや長めの沈黙



【強雨が弱雨に落ち着いていき、弱雨で落ち着く】


//リスタートの肯定的な





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//ぼんやりした感じで淡々と


//「どうでした?」~「いえ」の後にウェイトを置かない。つまりそこの答えは訊いてない。


「そういえば、旦那様」


「肩叩きってどうでした? いえ。仕事としてではなく。こんなの業務内容に入ってませんから。単純に貴方が心地よかったか。それだけを訊いているんです」




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//沈黙




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//貴方が「よかった」と言ったのか「ちょっと弱かった」と言ったのか、それは聞き手にわからない感じで


//どちらを言うかが問題ではなく、そこはちゃんと言ってほしいという少女の気持ち




「言ってくださいよ」




//あえて短い言葉。




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【強めの肩たたき音】




//めっちゃ強くしないこと。あ、強くなったな。とちょっと面白くなるくらい


//「弱かった」と言われたなら修正した、「よかった」と言われたなら気合入って少し強くなった、そんな塩梅。なので強くしすぎてはだめ。


//最悪肩叩きの音の変化を気付かれなくてもよいくらいの覚悟で。露骨よりは気付かれない方がよい





//しばらく弱雨の肩叩きが流れて終わり

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