銀髪ロング青目淡泊少女メイドと自宅で共依存相互回復.PDF
昼下道途
01_メイド少女と密約パッケージ(導入・癒やしASMRなし)
以下は「第3回「G’sこえけん」音声化短編コンテスト」提出作、
「銀髪ロング青目淡泊少女メイドと自宅で共依存相互回復」について、
「台本.PDF」的に簡略化を行ったものです。
本バージョン(.PDF版)はコンテスト非参加、
コンテストの提出内容に含まない任意の参考資料です。
「音声に起こす」のではなく「台本を読む」場合、
こちらが圧倒的に読みやすいかと思います。
https://kakuyomu.jp/works/16818093083676304660
(オリジナル版)
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//01コンセプト
//「癒やし」と「ASMR」からかけ離れた導入
//この01から「癒やし」と「ASMR」に墜落していくのかという期待
//ここは貴方の自室だ。
//貴方と背の低い少女が机を挟み対面している。
//少女は長い銀髪、青と緑の間の透いた瞳をしている。
//少女は給仕服姿だ。生地は重く、ざらりとしていそうだ。
//ホワイトブリムは未装備だ。
//少女は聡明だ。理知と少女らしい未成熟と一種の緊張の色が声にある。
//少女は淡白な表情だ。うっすらと一線を引かれている。
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(本編)
【着席音】
//少女が席についた。冒頭の状況はここから始まる。
//机ひとつ分の距離がある。
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//嫌悪ではなく淡々と。驚きの色なし。あくまで確認。
「なんですか」
【少しの間】
「これ」
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//僅かな沈黙。貴方は書類確認を促した。
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//僅かな驚き。決して大げさではならない。
「あぁ、」
//淡々と。詠嘆なしでぽつりと言い切る。
「請負要項」
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//僅かに咎める感じ。早口にならないこと。理知的に。
「請負の意味を理解していますか? 旦那様は家事代行1回のパッケージを購入しました。その時点で契約は固まっています。パッケージなので変更契約のような融通も効きません。旦那様には私に対する指揮命令権もありません」
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//貴方は彼女が自分を旦那様と呼ぶことは利用規約に基づいていることを告げる。
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//やや驚いた感じ。この瞬間だけ一瞬ほんの僅かにポジティブな色
「はい」
//淡々に戻る
「規約の八条1項。旦那様の指摘通り、私が旦那様を旦那様と呼んでいるのは、規約だからです」
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//貴方は契約外の仕事を少女に要請できないこと、何か要望があればカスタマーサポートに連絡すべきことを告げる。なぜ請負という仕事がそうなっているのか、偽装請負にまで話を展開させようとする。重要なことではないので、請負や派遣、偽装請負に関する細かい話はしない。細かいことを知っている少女という印象だけ残す。聞き手も気にしないようにさらっと。
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//淡々と。あんまりうんざりした感じは出さない。仄かになら出してもよい
「ええ。要求はカスタマーサポートに。偽装請負? もうそれ以上は大丈夫です。私が言いたいことを、きちんと旦那様は理解されている様子なので」
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//淡々と。疑問的な色はあまりつけない。
「では」
//正確には机の上の請負要項を叩いているが、伝わるはずなので気にしない。
【机をこつんと指で叩く音】
//淡々と。
「請負要項。これはなんですか。契約についてきちんと理解されているなら、追加指示に意味がないことも――」
【貴方側から身を乗り出す衣擦れや椅子の音】
//悲痛に。大声ではなく。呼気ではなく吸気音で出せるなら一番
「ひっ」
【彼女側の椅子の脚が軽く揺れる音。または椅子が軋む音でも可)】
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/居住まいを正すようなSEはあえてなし。沈黙から淡々とボイス。やや緊張含み
「失礼しました。自分より大きな人の動きが、得意ではなくて」
//貴方に要求させず、自分は要求するので、やや固く。できれば罪悪感は強く見せず。怖がっているとき弱みは見せたくない子。
「もし、可能であれば……とてもゆっくり動いていただけるとありがたいです」
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//淡々と。不自然なくらい完全に常の調子。早口ではなく、落ち着いた様子で。
「そうしていただかなければ、先程のようになってしまいますので。もちろん、カスタマーサポートに連絡いただいて構いません。スタッフの質が悪いと。旦那様には正当な権利があります」
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//貴方は請負要項の末尾をゆっくりと二度、指で叩く。
【かなりゆっくりやさしく、赤子の背を叩くように、指一本で机を二度叩く音】
//少女がはじめて請負要項を確認する。
【書類を少女が手元に引き寄せる音】
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//よくわからないものを読んでいる、平仮名な感じで。読み上げも、疑問含みでゆっくりと。
「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない……?」
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//貴方はその条項の意味を問う。
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//淡々に狼狽を混ぜた感じ
「いえ。意味……は、もちろんわかります。お互いの信頼を裏切らず、誠実でいましょうね。という言葉ですよね」
//少し狼狽が抜ける
「こんなの、定型文じゃないですか。パッケージ以前にどんな契約にも書いてあります」
//やや毅然と
「いえ、書いていなくても。信義則。民法の第一条第2項、公共の福祉の次に来る大前提も大前提です」
//淡々防御が抜けた素
「……っへ?」
//淡々。かつ意味がわからないという様子。
//聞き手に意味が伝わらなくてもOK。なんかそれっぽい感じ。
//わかる人には早熟だけど未熟と伝わる意図も
「一言一句、民法そのままじゃないですか。こんなの書く意味……仰るとおり、パッケージの利用規定にも。末尾にあったはずです。所管裁判所とか、あのあたりといっしょに……」
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//少女が請負要項を読んでいく
「録音許可……免除……申立……」
//若干ひいている感じ
「貴方は、何がそんなに怖いんですか?」
//やや緊張をもって
「作りません」
//やや早口に言い捨てる
「普通こんなものは」
//速度戻る。緊張感はある
「これは請負要項ではありません。貴方から私への、一方的な誓約書です」
//あくまで淡々と。なじる
「パッケージですよ? ネットで発注できる……自分は無害ですって、わざわざスタッフに通知する客がいますか? ご自分で、気持ちが悪いとは思わないんですか?」
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//意味を完全に理解した様子で要項の最後をまた読む。重要なルールを熟読する感じ。
「信義に従い誠実に行わなければならない」
//困惑している
「貴方はカスタマーサポートに連絡するつもりがない」
「私の要求も、できるかぎり聞く」
「なぜそこまで自分は怖くないと? 無害だと? 主張すればするほど、不気味になってしまうのに……」
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//淡々と他人事のようだった少女が、真剣に
「もう一度お訊ねします」
//声は大きくなく抑制されているが、切り込むように。
「貴方は、何がそんなに怖いんですか?」
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//大げさでない沈黙
【貴方の衣擦れの音。あるいは自分のズボンを手で擦るような音。隠したい、言いたくない、緊張している感じ】
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//緊張のブレイク。この溜息は大げさではだめ。一つピリオドを打つ程度の強さ
「……はぁ」
//淡々と。いいでしょう、を大仰にしてはだめ。
「いいでしょう。何も訊きません。その代わり、貴方も訊かないでください」
//淡々と
「お互いの信頼を裏切らず、誠実に」
//淡々と
「貴方が信義則を強調した意味がようやくわかりました」
//単なる事実確認のように
「駄目な顧客に、駄目なスタッフ」
//淡々と
「パッケージの想定を逸脱しすぎています。本来であれば、私たちは契約を解除すべきです」
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//僅かに沈黙
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//ぽつりとこぼす
「ですが貴方は都合がいい」
//私にとって、と言わない。冗長になるので
//ここは明白にする
「私も、貴方に都合がいい」
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//アイロニーを込めて
「信義則。信義則ですか」
「いいでしょう。わかりました」
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//少し沈黙
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//ここは淡々と
「お互いに、誠実に。貴方が私を真剣に配慮してくださる限り、私も貴方を尊重します」
//事実確認から、段々思考に沈んでいくような
「これは密約です。まともな契約ではありません。パッケージの通常の在り方を、あまりにも裏切って……こういうことは、あってはならない……なのに、私たちは密約を交わして……」
//気づきを得た感じ。大げさではなく。解けると思っていた数学の問題できちんと解法に基づいて解いたような感じで気づく事実確認の「ああ」。
「ああ」
//「。」でウェイト。ウェイト前は事務的に。ウェイト後は聡く、悪く。淡々としているが、秩序にして悪。
「つまり、私たち。共犯者になってしまいましたね?」
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