ASDと、HSPを持つ私の共感能力

白鷺(楓賢)

本編

ASD(自閉スペクトラム症)は共感能力が低いと言われることがよくあります。一方で、HSP(Highly Sensitive Person)は、共感能力が非常に高いとされます。では、ASDとHSPの両方を持つ私は、一体どちらに属するのだろうと考えたことがあります。


以前は、自分の共感能力が低いと感じていました。他人の感情に無関心だったり、場の空気を読めなかったりする場面が多かったからです。しかし、いろいろな検査を受けた結果、自分の共感能力は実は高いと評価されました。特にHSPの特性が、私のASDの特性よりも多少強いようで、他人の些細な変化や感情の動きに敏感であることがわかりました。


確かに、人の異変には敏感に反応する自分がいることに気づきました。例えば、映像から受ける影響が強く、映画やテレビを見た後に独特な感情を感じ取ったり、些細な変化に気づいたりします。また、言葉にしづらい感情や微妙なニュアンスにも敏感です。こうしたことを振り返ると、確かにHSPの特性が強く現れていることに気づきます。


しかし、この敏感さはいつも発揮されるわけではありません。特に集中している時や、自分が興味を持っていることに没頭している時には、他人の感情や状況に気づかないこともあります。これにはASDの特性が影響しているのかもしれないと感じることもあります。


まだ自分の特性には謎が多く、全てが明確ではありませんが、この感覚が生きづらさをもたらす一方で、時には他人を助けたり、役に立つ場面もあります。共感能力が高いことが周囲の人々との関係にポジティブな影響を与えることもある一方で、その敏感さゆえに苦しむこともあるのです。結局、どちらの特性が強いかは、状況によって大きく変わるのだと感じています。

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