第7話 対峙
7話 対峙
「みんな〜!こんちは〜!カザリだよ!今日は特訓スペシャル第2回!昨日は結局いつもとあんまり変わらない配信だったし何回言っても郷土さんは戦ってくれなかったからね。今日こそは郷土さんのスゴい所を皆に見てほしいから頑張るね♪!!」
今日も今日とてぬるりと配信が始まる。な〜にが「頑張るね♪」だよただ単にこっちが断り難いような雰囲気を作りたいだけじゃないか。ワガママな娘だな……勘弁してくれよまったく
「昨日言ったろカザリさん。そもそも俺はアンタの部下や召使いになったつもりは無いと。むしろ警察や冒険者ギルドが止めに来りゃあ良いのにアイツら何故か来ないんだよなぁ。アンタ何かしたか?」
「あっ、アタシのおじいちゃんが冒険者ギルドの役員なの!それでかもしれないね。よく知らないケド」
それやんけ!!!!くたばれ!!!!
道理で危険行為繰り返してるのに注意勧告が無いワケだよクソッ!
「カザリさんアンタお嬢様だったんだな」
「やめて」
「お?身内の立場のせいで学校で揶揄われたクチか?」
「やめてって言ってんじゃん!!!」
ゴウッ!と爆炎が飛んでくる。俺はペシッと跳ね返して続ける
「トラウマをほじ繰り返す様な事はしたくないが、ココ数日のアンタの身の振り方みてるとそりゃあ味方居なくならないか?」
:[は?何このおじさんいきなり説教はじめた?]
:[でも郷土の言うことも分かるな。一方的にアテにされてるのは精神的にしんどい]
:[カザリちゃんの嫌なことを思い出させないでください!大人なんだから!]
:[カザリを悲しませる奴は◯す]
:[[このコメントは不適切な表現があり削除されました]]
:[まあ確かにワガママだよなとは思う。実力が足りてないダンジョンに行くからお守りに付いてきてってさ]
:[というか昨日もカメラの外でヤバいヤツを知らない内に狩ってたりしてそう]
おっ、察しの良い奴もおるやん?だって見せびらかすのはみっともないしな
「良いから!アンタ強いんだからアタシが危なくなったら助けるのよ?!」
「なぁ、何をそんなに焦ってるんだ?」
俺はふとそんな質問をする。だってそうだろ?大怪我、下手すりゃ死の危険があるのにマイナーなダンジョンに来て自分のレベルより上の敵と戦おうとしてるんだから。ワガママムーヴさえ無ければ素直に応援してるとこやで
「そんなのアンタに関係無いでしょ!」
それがな……たぶん無関係だと思ってくれない人が居たらワイも巻き込まれるんですがそのあたりはどうお考えなんですかねぇ?
そこからしばらくはまたダンジョン攻略を続ける。こないだ居た鎧武者はたまに出てくるが事前に狩っておいて、ヒトダマや動く人骨、古い傘等をアクセサリーを使った魔法で危なげなく対処していたカザリだったが、ふと立ち止まるとこちらに振り返り叫ぶ。
「これじゃいつもと変わんないじゃん!何かスゴい技とか教えてくれたりしないの?!」
いやぁ……そもそもバトルスタイルが違うし、陰陽師のが向いてるんじゃない?この娘。でもなぁ、羊子さんに押し付けるのは気が引けるし……
チラリと羊子さんを見ると向こうもこちらを見ていてアイコンタクトが始まる
|д゚)チラッ(悪いけど任せて構わない?)
|д゚)ジーッ(それも仕事ですから……)
|д゚)チラッ(ホントにゴメン!何か埋め合わせするよ)
|д゚)ジーッ(おかまいなく………)
「あー、その、なんだ。カザリさん。アンタは認めたくないだろうし、冒険者として拒否反応もあるかもしれないが、アンタの魔法は陰陽師向きだから羊子さんに見てもらった方が早いと思う。」
「え゛っ!その人はアンタの監視役でしょ?」
まあ陰陽師の「仕事してます」アピールの為に来てる感はあるからな。めちゃくちゃ強い個人が自由なのが怖い。猛獣が街に解き放たれた!みたいにアレルギー起こす人を安心させる為にポーズとして来てるんだろうけど、監視役て
「ち、違います……よ?監視とかじゃなくて、師匠から、行ってきなさいって、言われて……」
………………マジ?ちょっと羊子ちゃんの言ってる師匠ってまさか俺の言ってる師匠と同じ人だったりしないよね(大量の脂汗)
そこからはアクセサリーに陰陽師の使う符の概念を付け加えてどうこうみたいな講座が始まり、ダウナー系美女の登場にコメント欄が湧いたりしていた。
◇◇◇
「おまえ!昨日俺から逃げたおまえだよ郷土!今日はおまえを粛清しにきた!この選ばれし力を手にしたマスターサムライ慎也がおまえの化けの皮を剥がしてカザリを自由にするんだ!」
ダンジョンから出るとそこには昨日飲み屋の帰りに絡んできた男が鎧武者の格好で仁王立ちしていた。というかあの鎧ってダンジョン内を徘徊してる鎧武者の鎧じゃね?アレ着れたんだ……
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