第3.5話♡「さみしいよ……お兄ちゃん……」

 ~瑠璃の部屋~


「あの後、お兄ちゃんのスマホの充電が切れて催眠も解けたけど……」


「……」


「…………」


「わたしからパンツ見せるなんて変態みたいじゃん!!!!」


「なにしてんのわたし!? お兄ちゃんから襲わせるならともかく、わたしから誘惑するなんて! わたしが変態なのがバレちゃうじゃん! は!? いやわたしは変態じゃないんですけど!? むかつく!」※ベッドの上で枕を振り回す瑠璃


「あれは違うし! あれは催眠のせいだから! そうだよ全部催眠のせい!」


「……まあ、『パンツ見せて』っていう催眠では、なかったけど……」


「……」


「待って。ほんとに恥ずいんだけど。無理。死ぬ」


「うぅ~……」


「…………でも……」


「お兄ちゃんもお兄ちゃんで、妹のパンツ見て気絶するなんて……耐性なさすぎ♪ 絶対彼女できたことないでしょ……♪」


「ま、当然だよね。わたしは初めてなんだから、お兄ちゃんも初めてをわたしにくれないと……」


「……」



 ――――瑠璃ちゃんはお兄さんのことが好きなのですね

 ――――うん、大好き! 大人になったらお兄ちゃんのお嫁さんになるんだー

 ――――フフ。その愛の深さ……兄妹じゃなかったらほんとうに結婚できたかもしれないですね

 ――――えっ? その言い方だと兄妹が結婚できないみたいじゃん

 ――――えっ……瑠璃ちゃん。そうですよ。実の兄と妹は結婚できないはずです

 ――――…………………………え……………………………………

 ――――る、瑠璃ちゃん!? 泣かないでください! ご、ごめんなさいそんなに本気だったと知らなくて……!



「…………」


「どうしてここで、しぃの言葉を思い出すかな」


「…………」


「いずれお兄ちゃんにも、彼女ができる」






「………………………………」






「どうしてわたしたち、兄妹なんだろう」


「ちょっと違うか。わたしはお兄ちゃんと兄妹でよかったって思ってる。でも……どうしてわたしたち兄妹は……恋をしちゃダメなんだろう」


「お兄ちゃんはわたしのことが大好きなのに」


「わたしはお兄ちゃんのことが、もーっと大好きなのに」


「ずっとそばにいるのに……」


「……」


「遠い……」


「……」







「……っ。……ぐすっ……」


「お兄ちゃん……」


「おにい、ちゃ……お兄ちゃんっ……」


「うぅ……」


「さみしいよ……お兄ちゃん……」

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