第2.5話♡「……う~……やっぱり恥ずいぃ……」

 ~瑠璃の部屋~


「……」


「はぁ……」


「あの後、何も起こらなかったし……『お兄ちゃんに妹モノを読ませてムラムラさせたところにわたしが登場して我慢できなくさせちゃえ作戦』……失敗かぁ……」


「……まあ、でもこの後の布石?伏線?にはなったかもしれないよね! あれのおかげでお兄ちゃんも、わたしを見たらドキドキしてくれるようになったかも! なぜかわたし、猫みたいになってお兄ちゃんにじゃれついてたような覚えがあるし!」


「……」


「…………猫!?(ぼっ)」


「わたしは何て恥ずかしいことを!?」


「……だ、大丈夫。落ち着いてわたし。あれくらいなんともない。お兄ちゃんを手に入れる為なら、なんだってするって決めたんだもん」


「そうだよ、ぜんぜんなんとも……」


「……う~……やっぱり恥ずいぃ……」


「…………はぁ。ジュース飲みに行こ……」





 ~リビング~


「……ん」


(そういえばお兄ちゃん、さっき壁を見てため息ついてたけど、何見てたんだろ……)


(……ああ、これか)


(幼稚園児の頃にした落書き……)


 ――――もう、ダメじゃない瑠璃! 壁を汚しちゃ! お母さん怒るよ!

 ――――うぅ、ひぐ、ご、ごめ、んなさいぃ……

 ――――待ってよお母さん! 可愛い絵じゃん。残しとこうよ

 ――――ぇ……? おにいちゃん……?

 ――――瑠璃は絵がじょうずなんだなぁ。お兄ちゃん感心したよ! ね、お母さん。そんなに怒ることないし、きっと、いい思い出になるよ

 ――――……もう。そうね。お母さんも大人げなかったわ。ごめんね、瑠璃

 ――――ううん。だいじょうぶ……。お、おにいちゃん……

 ――――ん? なんだー瑠璃?

 ――――わたし……わたし……! おっきくなったら、おにいちゃんのおよめさんになる!


「…………」


「………………」


「明日は、もっとがんばろう」


「ぜったい、ぜったい……ふたりで幸せになってみせるんだから……♪」

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