3、捨てられた街
都市のほとんどが水没してしまったわけだが、かろうじて水没せずに残っている街がある。だがそこも人間に捨てられたも同然。マンションは崩れ、残骸には植物が這い、電柱は折れている。かつて多くの人間が住んでいた場所に生物の息遣いがまったく聞こえないからか、水没しているエリアよりも寂しく思えた。まるで、主人が帰ってくるのを待っているかのようにも思えた。太陽は地平線を越え、空の大部分が青に染まる。ぽつぽつと輝き始める星が町の寂しさと対比になり、いよいよ暗くなった。
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