4、荒廃しようと花は咲く

夜がいくら長く感じようといずれは終わる。太陽が地平線の東から顔をのぞかせ、あたりがぶわっ、と黄色く染まった。捨てられた街の一角には人間が普段、よく見かけたであろう花が太陽の黄色い光を受け、輝く。寂しい街に唯一光が射したようだ。地平線から太陽が体の半分くらいをのぞかせる。人間が起き始める早朝にある意味で幸福の予兆が見えた気がした。

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