第14話 敗北
【スレッド:ビジネス狂人の柊について語ろうか】
1 名無しの狂人ファン
なんかもう草生えすぎて森できそう
2 名無しの探索者
え、何が起きたん? てか、ビジネス狂人ってなに?
3 名無しの狂人ファン
マジか、あの切り抜き見てないんか
4 名無しの探索者
>3 俺は柊以外、あんまり動画は見ないんだわ。すまんな
5 名無しの狂人ファン
>4 URL
6 名無しの探索者
なんじゃこりゃ
7 名無しの探索者
>5 待って、なんだよこれ。嘘だろ?……こいつ柊なのか?!
8 名無しの狂人ファン
>7 まあ、ワイはこれはこれでオモロいと思うけど、あんたは結構前からのファンだから受け入れられんか……
9 名無しの探索者
いや、なんか安心した
10 名無しの狂人ファン
>9 草
11 名無しの探索者
柊って俺が見始めたころからずっと狂ってて最近は流石に心配だったんよな
それに柊って未成年やろ? 素でこんな狂ってたら社会に出た時に苦労しそうだなって……
12 名無しの狂人ファン
>11 おっと?
13 名無しの探索者
>12 なんか柊は亡くなった弟に似てて、放って置けない感じがするんよな。だからと言って、キモいコメントとかはしないようにしてるけど
14 名無しの給食費ニキ
親切で凄く強い探索者について語っているスレはここですか?
15 名無しの狂人ファン
>14 すでにネタにしてて草
16 名無しのルリスナー
どうもルリちゃんの配信から来ました!
17 名無しの人
なんか柊について語ってるスレがあると思って来たら、ルリルリのとこのリスナー居て草
18 名無しの狂人ファン
>16 ルリスナーってなんぞや
19 名無しのルリスナー
>17 緋色ルリちゃんのリスナーの呼称ですよ
20 名無しの探索者
緋色ルリってあの登録者200万人越えの人か。柊も随分大物を助けたなぁ……
21 名無しの給食費ニキ
柊さんが狂人バーサーカー系配信者ってマジですか?
22 名無しの狂人ファン
>21 マジです。でも今回の件でビジネス狂人であったということが明らかになりました
23 名無しのルリスナー
キャラ崩壊してて草
24 名無しの人
>23 でも、これはこれで普通におもろいわ。そもそも高校生なのに滅茶苦茶、強いし
25 名無しの給食費ニキ
>24 は? 高校生なの?
26 名無しの人
おん、高校2年生やな
27 名無しの給食費ニキ
ルリルリと同い年や……
28 名無しのルリスナー
何食ったらその歳でSランクモンスター撃退できるくらいに強くなれるん?
29 名無しの探索者
>28 柊はスキルの使い方が滅茶苦茶上手いからな……ショックブラスト自体、あんまり強いスキルじゃないのに、熟練度と意味わからん使い方で無双してる
30 名無しの給食費ニキ
まあ、確かに空気弾発射するだけのスキルってなんか地味だし、弱そうだな
31 名無しの探索者
>30 せやな、実際に普通はショックブラストじゃ、そこまで強くなれん。でも、柊はなぜか体が音速近くで動いても無事なくらい丈夫な上にその中で敵を視認できるから
32 名無しのルリスナー
やっぱ上位の探索者って人間じゃねえな
33 名無しの狂人ファン
おい見ろよお前ら! 柊がトレンドに乗った上にランキングをぐんぐん駆け上がってるぞ!
34 名無しの探索者
いや、『ビジネス狂人』でトレンドに乗ってるの面白すぎだろww
35 名無しの人
なんか、海外でもちょっと話題になってるの草
36 名無しの狂人ファン
え、Sランク探索者が反応してる
37 名無しの探索者
え、あの日本トップレベルの神山
38 名無しの人
『ビジネス狂人さん、トレンド入りおめでとう!』だってよ
39 名無しの狂人ファン
ゴリッゴリの営業妨害で笑える
40 名無しの探索者
それどころか、もう煽られてるだろww
その後、日本トップレベルの探索者のツイートによって『ビジネス狂人』という単語はさらに世界中に広まっていくのであった。
――――――
「と、とりあえず、探索始めていくぞ! そもそも今日はお前らと話すために配信を付けたんじゃないからな」
Sランク探索者に認知されたことなど露知らず、まだ俺はダンジョンの入り口近くで視聴者に向かって話しかけていた。
“え、ちゃうん?”
“待て、これはあれだ、ツンデレってやつだ”
“ツンデレ系見知らぬ人に対して150万円のポーションを分けてあげる親切で謙虚な凄く強い探索者の配信ってここですか?”
“友達に狂人バーサーカーな探索者の配信があるって聞いて来たのに……名前間違えたかな?”
「だ、か、ら! 俺は親切でも、謙虚でも、ツンデレ系でもねえ!」
俺はそう言い放ち、いい加減探索に入ろうとした時。
¥50000“ルリルリを助けてくれてありがとうございます! とても素晴らしい性格の方なんですね!”
「じょ、上限投げ銭?!?!」
俺は中々見ない5万という数字に目を見開く。
嘘だろ……上限投げ銭なんて1年に1回あるかどうかなのに……。
「あ、あああありがとうございます……やべっ」
まずい……?!
やってしまった……つい、驚きのあまり感謝してしまった。
“普通に喜んでて草”
“もう素じゃねえか”
¥30000“怖い人だと思ってたけど凄く素直で優しい方なんですね!”
やばい……さ、3万円?!
さっきのと合わせればもう8万円だ。
短時間でこれはデカすぎる。
¥50000“私からもルリルリを助けてくださり、感謝です!”
¥10000“少ないけどお納めください”
え……へ?!
5万円に1万円?!
¥10000“あ〜、もうちょっと投げ銭したいけど柊がルリルリのこと助けたのは人違いって言ってるからなぁ〜、確証が持てないと5万円は投げ銭できないな〜”
“金で釣ろうとしてて草”
“流石にそんなので釣られないだろww”
「俺が助けました、緋色ルリさんは俺が助けました」
あれ? いつの間にかに口が勝手に……。
“草”
“掌返し早すぎますww”
“金で釣れたww”
¥50000“認めるの早ww、ほいこれ感謝の5万”
いや、だって5万円だぞ?5万円!!!
俺のプライド? なにそれ美味しいの?
「でも、あのブラックフェンリル、クソ雑魚だったなぁっ! うん、大したことなかったから通りすがりに殴ってやったら逃げってたわ!」
“もう遅えよww”
“手遅れすぎる”
“もう諦めろ”
“こっからリカバリーしようとすなww”
結局、俺はお金に敗北するのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます