第8話 一方その頃
ミズシオチャンネルコメント欄
:1げっと
:おめ
:すごいのが出てきたな
:男、男ぉぉぉぉ
:飢えた獣がいて草
:てか明らかにカンペ読んでる笑
:お、始めようと思ったきっかけか
:いいねいいね教えてケロ
そして水樹はこれまでの経緯を語り始める
:はぁあああ!!!
:ふざけんなよクソ大臣共があ!
:草生やそうとしたけどこれは笑えない
:あのリストの奴らマジで国の要人ばっかやんけ
:男の子か精子を連呼してて興奮しました。
・・・ふぅ、ふざけんなよ大臣共ぉお!
:情緒乱れまくってて草、でもわかる
:わかる
:わかる
:真面目に世界平和とか、宇宙の心理について考えようぜ
:賢者いるやんけ。・・・んっ!!
:↑絶対イッてて草
:汚ねえもん見せんじゃねえ笑
:それよか今は奴らについてだ
:許さねぇ、絶対に許さねえぞぉぉ
だから僕は今後国からの給付金を一切受け取らないことにした。国からの施しを受けないなら保護局の言うことに従う理由は無いからね。
:よく言った!
:そうだそうだ!
:給付金を受けないってことはさ、給付金を受ける代わりにやらなきゃいけなかった義務もしないってことだよな?
:そらそうよ
:むしろやる理由がない
:それがどうかしたのか
:つまり、男性の義務であった搾精義務をしなくなるってことだから、本来ならミズキさんから提供される精子で妊娠できるかもしれなかった人たちも、その機会どころか可能性すら無くなったってこと?
:そ、そうやん
:なんて事してくれてんだクソ大臣共ぉ
:殺す、奴らぶっ殺す
:お、落ち着け!とりあえずこのサブマシンガンを持っていけ
:お前も落ち着け
取り乱すコメント欄を他所にその後も配信は続き
:あ、生配信って知らんかったんかい笑
:だからか
:謎は全て熔けた
:熔けてて草
:いえーい、みてるぅ?むしろ見て!私の全てを!
:カメラ意識した瞬間明らかに陰キャ出てきてる笑
:これはシコい
:抜いた
:お巡りさーん!こいつらまとめてしょっぴいちゃって!
:おっ、質問タイムか
:いいね
『なんで投稿者?配信者でいいのでは?』
あ、あーこれはですね。み、見ての通り、僕は人と話すのが苦手な陰キャなのでとてもじゃないけど無理です。投稿者なら動画を作ってアップするだけなのでなんとかなると思って投稿者になることにしました。
:わかる
:クソワロタ
:なるほど
『何系の投稿者になるんですか?』
ぼ、僕の好きな物をみんなに伝えていくチャンネルにしたいと思っています。音楽かもですし漫画とかかもしれないのでその時によって違うと思います。
:好きな女とか答えてもらおうぜ
:いいなそれ
:好きな乳の大きさとか
:全くお前ら何やってんだか、いいぞもっとやれ
:すきな〇〇〇の形
:伏字にされてて草
:なのになって言ったか想像できるの草
:自分が同類なのが腹立つ
『あのリスト本物?』
も、もちろん本物です。証拠もあります。僕はメンタルクソザコナメクジの陰キャなので何があっても身の潔白を証明できるように人と会う時はボイスレコーダーを常備しています。
あの時ももちろん録音していたので、それが証拠です
:そうだった、こいつらの処刑がまだだった
:ゆるすまじ
:クレームのメール入れてきてやったぜ
:私は電話
:ウチはSNS荒らしてきた
:仕事早くて草
『何で投稿者にしたの?他の仕事でも良かったのでは??』
さ、今までの質問の答えと重複するかもですが、僕は人と話すのが苦手なので、普通の仕事はまず無理です。それに、男性という事でやれる仕事も限られると思います。(男性が一般企業などで働くには国の認可を受けたところでしか働けない)
その点動画投稿者は個人事業ですし、場所、時間、年齢、それに性別も関係なく働けますから、いちばん僕に適していたという感じです。
:たしかに、現実的に考えて男性が普通に働くのって難易度高いよな
:相当審査厳しいしな
:それに合格しても男に詰め寄って人生棒に振るやつも少なくないし
:そう考えると、動画投稿系って個人でできるから男にとっては現状1番ストレスフリーな環境かもな
:まぁ、そもそも男は無理して働く人ようないけどな
:それな
『さっきの政府の話が本当かどうか、正直私には分かりません。ですが、あんなにハッキリと国を敵に回すようなことをして大丈夫ですか?』
ご、ご心配ありがとうございます。
僕も不安はありますが、既に引越しをしていますし、大丈夫だと思います。
それにどうしても無理そうならばこの国を出ます。先程も言いましたが、動画投稿者ならばこの国に居なくても活動は出来ますし
:お礼言えてえらい
:これ投稿者絶対ここで抜いてる
:当たり前だろ、投稿者じゃなくても抜くわ!
:男の人がお礼言うのみたの初めてなんだが
:私も
:学生の頃クラスに1人男子いたけど、いつも不機嫌そうだった
:舌打ちしかされたことない
:涙拭けよ(т-т)
:いや、お前が拭け
:いや、そこじゃねえ!話聞いてなかったのか!ミズキさんは男性としての能力が優秀だったから政府が囲いこもうとしたんだぞ!もしこのまま国とのいざこざが拗れたら、最悪彼がこの国から出ていくことになるんだぞ!
:!?
:そうだった!
:やばいやんけ
:ごめん、学なさすぎてわからん。彼にとってはその方がいいんじゃないの?
:その意見も正しいけどな?男性としての能力か高いってことは、精子の着床率、つまり妊娠率が高くなる可能性があってこと、つまり彼は少子化や男性の出生率の低下なんかを解決出来るかもしれない人材ってこと!そんな人が最悪外国に行くって言ってるの!
:やばいじゃん!
:さっきからそう言っとろうが!!
:もちろん彼の気持ちが1番だから、彼がそうしたいと言ったら文句は言わないけど、国としては痛手だろうね
:しかもその原因は自分たちだからな
:ホント政府のヤツら余計なことしてくれるわ
:ちょ、やばいやばいやばい!
:どうした??
:この生放送、海外勢も見てるヤツいたらしくて、ものすごい勢いで拡散されてる
それで、何カ国かの政府がそうなったらうちの国に来て欲しい的なこと言ってるぅ
そのための環境整備にも尽力するって
:ぎゃーーー!!
:見つかったー!
:いやぁぁぁぁ!
「で、では、近いうちにまた動画を出しますので楽しみにしていてください」
:待ってそれどころじゃない!
:私たちを置いていかないで!
:まだ感情追いついてないんだけど!
:やばいじゃん、どうなるの?
:とりあえず政府の対応次第じゃない?
:くそ、全部あいつらのせいだ!
その後興奮した視聴者や、切り抜き動画を見た者達が政府や保護局、リストに書かれていた人間たちのSNSに抗議文を送り付けた。
炎上騒動はまだ鎮火しそうにない。
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