第4話 朝から精が出ますわね。

「こ、この結果は・・・!!」


とある研究室、ここでは日本中の男性から提供された精子の検査をしている。病気の有無、遺伝子などを調べ、少しでも男性の出生率の向上へと繋げるためだ。

しかし現状は、男性の出生率向上へは至っていない。どう調べても、男性が産まれない理由が解明できないのだ。

なので今となっては、男性の遺伝子情報や持病の有無などを調べ、男性に安全に暮らしてもらうための研究機関のような存在になっていた。

とはいえ、男性が安心して暮らせることは、国、いや世界にとって重要な課題である為、ここで働く者達は誇りを持って職務にあたっている。

そんな中、汐田 水樹の例のブツがこの研究室に運び込まれ、検査されることになったのだが。


「どの数値を見ても、基準値をはるかに超えている!?何だこの結果は!?こんな精子を持つ男性が存在するのか!?」

「加えて、一度の射精での射精量も一般男性のそれに比べて大きく上回っています!」

「これは、完全には未確認の情報なのですが・・・」

「ん、どうした。言ってみろ」

「は、はい。回収に向かった局員の話によりますと、その精子の提供者が言ったそうなのです。『おそらく月1回以上は呼ぶかもしれません。すみません。』と」

「な、なんだと!この提供者は月に1回以上

の射精が可能だと言うのか?一般的に男性の射精周期は月に1回あるかないか、性欲の強い男性でも2回が限界だと言うのに・・・!」

「しかもこの精子の色、粘り気、匂い、どれをとっても今まで見てきた精子とは違っています。こんなこと、私がここに配属されてから初めてです」


提供された水樹の精子を前に議論を交わす研究者達。水樹が見たらきっと恥ずかしさで悶え死ぬだろう。

研究者達の議論は朝まで続いた。水樹の異常な精子の調査データにみな驚いていたが、彼女たちはさらに驚くことになる。


「しょ、所長!大変です!」

「どうした」

「昨日の精子を提供して下さった男性から連絡がありまして、また回収に来て欲しいと!!」

「なっ、なんだとぉおおお!」


研究室は騒然となった。無理もない。この世界の男性は月に1回、性欲の強い者でも月に2回の射精が限界であるのに対し、水樹は通常の男性の射精量を遥かに上回る量の精子を2日間連続で提出したのだ。驚くなという方が難しだろう。


「と、とにかく、直ぐに回収に向かわせろ!そして我々は保存と検査の用意だ!徹夜で疲れていると思うが、もうひと踏ん張りだ!」

「「「「「はい!」」」」」


研究者達がいっせいに動き出す。


「はぁ、とんでもない男性が現れたものだ。さて、私も上への報告書を作らねばならんな」


一息ついた彼女は自分のデスクに腰を下ろし、報告書を作成し始めた。




時は少し遡り

研究者達の議論が夜明けとともに一段落しかけていた頃。

水樹は、


「いただきます」


朝食を食べていた。

この世界には前の世界のような娯楽が無い。その結果水樹は就寝時間が早まり、健康的な生活を送るようになっていた。


もそもそと食パンを頬張りながらテレビのニュース番組を見ていた。


「というわけで日本の男性出生率は」


専門家が昨今の情勢をうんぬんかんぬん。

ぼーっと眺めながら食パンをもそる。


「ありがとうございました。ではここからは各地のニュースを見ていきましょう。今日はお祭り特集です。」


お祭りかぁ、良いですな。見ているだけで少しいい気分になるよね。

ま、僕は一緒にお祭りに行く人もいなかったし、人混みダメだから実際に行ったことなんてないんだけどね。


思い出にひたっていると画面が切り替わる。

中継先の映像に切り替わったみたいだ。


「はい!現場の佐々木です!」


あ、佐々木アナだ。よくは知らないけど。

結構人気の高い女子アナウンサーらしい。

お祭りらしく甚平のような服装をしていて、とても涼し気だ。

よく考えると、男性が少ないこの世界で活躍している芸能人って凄いよな?絶対に無いとは言う気は無いけど、同性が多い分、ビジュアル面だけでなく、実力もあるって事だよね?


なんて思いながらテレビを眺める。


「それでは、私も体験してみようと思います!」


ん?お祭りで体験?盆踊り的な?

と思っていたら佐々木アナが甚平を脱ぎ上裸になった。

いやなったじゃないよ!なんでさ!こんな美人がなんで朝からストリップしてやがりますの!

と言うか佐々木アナ大きいな。ふたつ合わせたら顔より大きいんじゃないの?すご。

佐々木アナはバインバインとおっぱいを揺らしながら、走っていく。Σ(・Д・;)すげぇー!って思わず佐々木アナのおっぱいに見とれていると、佐々木アナはお祭りに来ていたお客さん

たちと一緒に水遊びを始めた。どうやら佐々木アナがレポートするお祭りはウォーターフェスティバルと言うお祭りだったようだ。

ていうか大丈夫なの!?おっぱい丸出しなのはもういいよ。慣れては無いけど慣れたよ。でもさ全裸の子がちょいちょい写ってるんだけど!

確かにね、夏に噴水とかがある公園でちっちゃい子が水遊びするニュースとか見るし、その時全裸で遊んでる子がいたりするけどさ。

あれせいぜい4、5歳くらいのキッズたちなのよ!でも今写ってる子達どう見ても中学生くらいの子よね?そんな子達の全裸映って大丈夫なの!?

その後何事も無かったかのように佐々木アナのレポートは進行し、次のお祭りの現場へ。

次は美里アナ。元気でパワフルなところが売りのアナウンサー。よくバラエティのアシスタントをしている。 ネット調べ


「私が来ているのは、ふんどし祭りです!会場ではお祭りに向けて着々と準備が進んでおります!」


もう、驚かない。たとえ美里アナがふんどし一丁というほぼ全裸だったとしても、画面のどこを見てもほとんどの人がほぼ全裸だったとしても。ワイプに写ってるアナウンサー2人しかまともに服きてないって、冷静に考えたらやべー番組だよな。だが国営放送である!

準備中ということもあって取材することがまだ少ないのだろうか、先程の佐々木アナのように何かを体験すると言うよりは、お祭りの歴史や目的なんかの説明が主だった。

その流れで何故か着用講座みたいなことが始まった。

いやなんでよ!しなくていいやん!

そして美里アナ!実践しようとして、ふんどし脱がなくていいから、あーーー!

な、なんてことだ。


ふんどしの着方を説明するためにふんどしを脱いだ美里アナ。

そのあらわになった局部には一切の毛がなかった。

う、美しい。まるで芸術品のようじゃないか。


その後も何人ものアナウンサーがレポートを続け、その度におっぱいやら何やらを晒し続けた。



そして番組が終わる頃には、僕の義務が捗ったのは言うまでもない。

1番恥ずかしかったのは、途中で呼んだ回収担当の局員さんを待たせた上、精子の入ったアンプルを5本も渡すはめになったことだ。

しかも目隠しのためアンプルを入れる封筒?のようなものに入りきらず、3本は剥き身のまま渡すことになってしまった。本当に申し訳ございません!恥ずかしくて死にそう。

局員さん凄く気まずそうだったし!!!

セクハラで訴えられても文句言えないよねこれぇ!?



水樹がまたもや恥ずかしさに身悶えているころ、


「な、なんじゃあ、この量はー!!!!!」


研究室はまたもや大騒ぎになっていたのである。



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佐々木アナが紹介した施設は

取材のために特別に開園時間よりも前に施設を開放して頂きました。

通常の開園時間は午前10時からとなります。


その他、本日ご紹介したお祭りに関しての詳しい情報は番組ホームページをご覧下さい。

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