第2話 独白のようなもの(多分違う)
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ
僕の名前は
昨日はいつものようにネットしたり、ダラダラしたりしていたのだが、
布団が放つ魅力的で怪しげな引力に惹きつけられた
布団の誘惑に抗うのに夢中になっていた僕は、背後からやってきた睡魔に気が付かなかった。
僕はいつの間にか眠りにつき、目が覚めると
男女比が偏り、貞操観念が逆転した世界に来ていた。
何を言っているのか分からねーと思うが、本当なんだぜい。
うん、意味わかんなすぎてパロディ映画みたいな導入しちゃった。
あれから色々調べてみたけど、僕に関する情報はほぼほぼそのままだった。違っていたのは、僕はこの世界では希少な男性ということで、少子化対策?というか人口減少対策?のためにいくつかの義務がある、くらいのようだ。
まぁ、この辺は小説でよくあるあのあたりですな。
あと、携帯から男性の連絡先が一切無くなっていた。まあ、コミュ症陰キャオタクの僕にそもそも友達なんていないからプラマイゼロなんだけどね!・・・な、泣いてないやい!
ん?なにかね?陰キャオタクのわりには僕が饒舌じゃ無いかって?
はっはっはっ、何を言っているんだい。
そういう奴に限って、心のうちでは饒舌で、気が大きいものさ。あれだよ、内弁慶って奴だよ。
・・・言ってて悲しくなってきた。
まぁ、男女比がとか、貞操観念がとかは別にいいんだ。どうせ元の世界でも他人との関わりなんてほとんどなかったし。
でも、この世界には僕の愛する音楽や漫画アニメなんかが一切ないんだ!そんなの耐えられない!正確にいうとこの世界にも音楽もアニメも漫画もある。でも男女比やら貞操観念やらのせいで内容が全然入ってこないんだ!
試しに部屋にあったCDを聞いてみたんだけどね、もうひどかったよ。
なに?サビの一番気持ちいいところの歌詞が、
この熟れた体が男を求めてるとか、いつでも宝(男)を受け入れる準備はできてるとか。
もうギャグじゃん、爆笑しちゃったよ。そしてメロディラインがいいのが尚更腹立つ。
まあそんな感じで元の世界の僕が愛した文化達はこの世界にはなかったよ。
クラシック音楽や童謡なんかは作者だけが女性になっていたけれど、どういう基準なんだろ?
もうあの曲を聴くことも、漫画を読むことも、アニメや動画を見ることもできないなんて。
「はぁ。正直、自分が元の世界で死んでこの世界に来たのかもしれないとか。もう元の世界には戻れないかもしれないだとか、そういうのよりも、元の世界で僕が愛していたものがないことの方がショックだな」
どれくらい呆然としていたのだろうか、気づけば夜になっていた。
僕は、現実を受け止めきれずにもう一度布団に潜る。そして、夢の中に逃避したのだった。
翌朝、ポストに入っていた封筒によって、
僕の人生は大きく変わる事になる。
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