第7話
いつの間にか、
あなたはぼくを求めなくなった。
最初から偽りだったじゃん。
最初から本気じゃなかった。
なにを、そんなに
悲しんでるの?
わからない、
ぼくには、わからない。
でも、もう、いいんだ。
ぼくには新しい生き方が合ってる。
他人を求めて。
自分を捨てて。
最高の気分だよ。
最低に気持ちいいよ。
たくさんの他人から、
与えられる愛は。
その中でも、特別愛してくれたキミ。
キミの愛は、少し重いね。
いいんだよ。
痛くても、苦しくても。
ぼくは、キミの愛を愛してる。
ぼくは、キミの欲を欲してる。
相思相愛?
そんな綺麗なものじゃないけど。
だって、ぼく。
キミのことなんて好きじゃないし。
キミも、ぼくを。
好きになんてならなくていい。
ただ、嘘でもいいから、
愛していてほしいだけ。
でも、馬鹿なキミは、
本当に僕を愛しちゃったんでしょ。
あはは、馬鹿だなぁ。
ほんと、馬鹿だなぁ。
「ごめんね。」
ぼくは、キミを、
本当の意味で愛せない。
信じられない。
それ以上、踏み込まないで。
「いいよ、」
「え、?」
「
キミは、そう言って、
目の前で身体を切るの。
キミは、泣きながら、
目の前で薬を飲むの。
そんな、可愛いキミに、
ぼくが出来る事は。
キミの身体に傷を作ること。
ぼくの爪で、キミの肌を裂いて。
ぼくの歯で、キミの肌を貫いて。
カッターナイフで、傷を付けて。
タバコの火で、キミのことを焼く。
痛みで歪んだ顔、可愛いな。
キミの意識がなくなるのを見て、
ぼくは別の人に会いに行くの。
今日は、なにしてくれるのかな。
ぼくも裂いて貫いて傷付けて焼いて。
「そうしたら。」
そうしたら、ぼくも。
キミみたいに可愛くなるのかな。
痣だらけの身体を抱き締めて、
ぼくは、今日も抱かれに行くんだ。
愛してもらいに行くんだ。
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