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第8話
お金なんて、要らなかったの。
だから、これは、
援助交際でも、パパ活でもない。
ただ、他人同士の交尾。
言葉にすると、気持ち悪い。
援助交際の方がマシかもね。
嘘吐いて、抱き合ってるだけ。
だから、薬を飲んで忘れるの。
嘘って事実を、偽りって事実を。
白い錠剤が、喉の中を通っていく。
ごくん。
あ。
ああ。
また、来る。
また、来た。
気持ち悪くて
気持ち良くて
頭がおかしくなって
ぷつん
って、なにかが、
はじけるおとがした。
あれ?
なにもわからない。
なにもきこえない。
なんで、
なんで、愛してくれないの。
だって、ぼくは。
こんなに、愛しているのに。
愛してる。
愛してよ。
嘘だけど。
偽りでも。
だって、ねぇ。
だって、ほら。
お互いに、うそなんだもん。
お互いに、いつわりなんだもん。
心臓が、ぎゅーって痛くなる。
これは、恋なの？愛なの？
それとも、これも、虚像なの？
まあ、そんなこと。
どうでもいいか。
とりあえず。
とりあえずさ。
「愛してるよ。」
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