14話 嵐 アバンタイトル

 避暑地として整備された景観の良い場所がある。草や木が適度に切り払われ、整備された一角。物々しい警備の囲む一軒のコテージ。

 警備の人々はダークグレーのスーツの上に防弾チョッキを装備していた。人数は六人。

 そこに青い人影と金の人影が現れた。


「無許可の侵入は禁止されている。即刻退去せよ」


 警備の人々は各自が持つ拳銃を向ける。ただの民間人が誤って侵入しただけならば彼らも警告と共に銃を向けることはない。相手が悪意を持って侵入したとその見た目を見て判断したからだ。

 また幾人かは各々がかける黒いサングラスに指を添えている。


「すでに幾分のレンズが製造されていると見える。これは資材も資料も焼き払うべきだろう」


 青い人影。白い強化スーツの上に青い結晶装甲身に纏った者。エージェント・テンペストである。

 彼は警備の人々がかける黒いサングラスが量産されたストリングスのタイムレンズと気づいた。


「そうか。露払いは頼む」


 テンペストの横には金の人影。黒い強化スーツの上に黄金に輝く結晶装甲を身に纏った者。黄金に輝くヘルムに白いガスマスクのような仮面を被っている。

 彼はテンペストに露払いを任せ、先に進もうとする。


 警備の人々はタイムレンズを起動しストリングス・レプリカに変身する。紫の強化スーツに黒い結晶装甲。見た目は草加タクミの変身するストリングスと同じであるが、幾分か動きが鈍い。


 ストリングスたちの銃が発砲される。だが銃弾はテンペストの起こした暴風に落とされた。

 そして続くテンペストの嵐の刃でストリングスたちは一人二人と次々に戦闘不能の重体や致命傷を受けていく。


 場面は少し巻き戻る。二人が襲撃する少し前だ。


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