6話 猟犬と仮面バトラー アバンタイトル
破嵐探偵事務所に侵入者が居た。侵入者は事務所の住人たちが草加と共に外出した瞬間を見計らって侵入した。
「鍵開けが得意なんだな」
灰色の装甲を纏った男、ヘイズは何時の間にか侵入者の後ろに立っていた。
「時間怪盗になる前はこれが本職っしたので」
侵入者はハウンドドッグであった。柄シャツに白いパンツ。一般的に言われるラフな格好だ。
ハウンドドッグは元からその事務所の住人であったように、事務所の中を歩き回る。
「手際が良いな」
ヘイズは感嘆した。ハウンドドッグは自然な動きで事務所のあちこちに盗聴器を仕掛けた。そこに盗聴器があると思わなければ気づきはしまい。
「昔取った杵柄っすよ」
ハウンドドッグは大したこと無さそうに答えた。
これは組織から出された指示の下準備でしかない。
「俺は素直に関心している。チーフの前で行った無礼を帳消しにしていい」
ヘイズはハウンドドッグを測りかねていた。
一山いくらの輩のようにも見えるし、組織に加えてもいい優秀な人材にも見える。しかし優秀な者が素直にマイスターやヒュドラの下に着くか。
不適切な人材を組織に加えることは組織に波風を立てる。
「……さっきはすいませんでした」
ハウンドドッグは素直に謝った。
「突然変身するとやる気だと勘違いされるから気をつけろよ」
ヘイズそう言った。しかしヘイズは組織構成員と会話する際、常時変身している。
ハウンドドッグが盗聴器を仕掛け終わり、事務所を出ようとする。ヘイズはそれについて行こうとして固まった。
ヘイズは何処からか古めかしいハードカバーの本を取り出しそれを
本に刻まれた記述が変化している。ヘイズはスーツの下に脂汗をかく。
「あー……俺もレッドを始末するの手伝うわ。俺の見立てより
「あざっす」
ハウンドドッグはヘイズの動揺に気づいていながら無視した。
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