Track.7:<夢>甘々な後輩ちゃんの耳かき。

//先輩(リスナー)はベッドでうつらうつらしている。そこに後輩がやってくる。


せんぱーい、起きてますか?


うーん?


あ、起きてた。


先輩先輩。

素敵なものを持ってきました。


耳かき棒です。


では、ベッドに失礼します。


そして、私は正座。

先輩は寝転がって、頭をここへ。


ぽかんとしてないで、ほら。


そう、膝まくらです。


遠慮しないでください。

私たちは、その、恋人なんですから。


なんだかくすぐったいけど、嬉しいですね。


では、どうぞ。


//先輩、後輩の膝に頭をのせる。

//SE:衣擦れの音。


まずは耳をとんとんしていきますね。

タッピングって言うんですけど、とっても気持ちがいいんですよ。


では――。


//後輩、タッピングを始める。



とんとんとんとん。

とーんとん。


//SE:オノマトペを使いながら、緩急をつけて耳をとんとんと刺激する。


耳の上の方。


//SE:オノマトペを使いながら、緩急をつけて耳を刺激する。


次は耳たぶ。


//SE:オノマトペを使いながら、緩急をつけて耳を刺激する。


全体いきますよー。


ふふ、気持ちがいいでしょう?


もう少しですか?


いいですよ。

甘えてください。


とんとんとーん。


//SE:耳全体にタッピングをする。


とろーんとしたお顔ですね。

可愛らしいです。


恥ずかしがらないで。

リラックスしてくれてるみたいで、後輩ちゃんは嬉しいですよ。


では、耳かきに移りますね。


まずは右耳から。

ゆっくり入れていきます。


かりかり。


//SE:オノマトペを使いながら、ゆっくりと右耳の浅いところをかいていく。


少し奥をかいていきましょう。


//SE:オノマトペを使いながら、ゆっくりと右耳の深いところをかいていく。


綺麗になりました。

では次は左耳です。


//SE:先輩が後輩に左耳を向けて寝転がる。


はい、こちらも浅いところから。


かりかり、かりかり。


//SE:オノマトペを使いながら、ゆっくりと左耳の浅いところをかいていく。


次は深いところ。


//SE:オノマトペを使いながら、ゆっくりと左耳の深いところをかいていく。


こっちも大丈夫かな。


先輩?


あれ、寝ちゃったかな。


可愛い顔。


頭、なでなでー。

なんて。


先輩。

私、本当に嬉しかった。


この夜を先輩とともに過ごせて。


先輩がすべてを忘れても、私はこの夜のことを忘れません。

胸にしまって大切に――。


わっ、先輩起きてたんですか?


もう、言ってくださいよ。

恥ずかしいじゃないですか。


え?


はい。

先輩は今晩のことを忘れてしまいます。


でも、それでいいんです。

それで。


……そんな目で見ないでください。

そんなこと言わないでください。


ウソです。

なかったことなんかにしたくない。


私、先輩と恋人になれて、いえ、先輩の思いを聞けて嬉しかった。


大好きなんです。

先輩のこと。


でも、怖い。

もし先輩に拒絶されたらって。


そうなるのは当然なのに。


どうして笑うんですか。


どうしてそんなこと言えるんですか。

絶対に拒絶しない、なんて。


先輩は忘れちゃうのに。


でも、先輩。

信じていいですか?


なら、信じます。

いいえ、信じさせてください。


私このままじゃ嫌だ。

この思いを胸にしまって後悔するなんて、そんなの。


私の背を押してくれるんですか?

ありがとう、先輩。


私、明日先輩に告白します。


はい。

すごく怖いです。


でも、先輩のことが好きだから。

この思いを諦めたくないから。


ええ、頑張ります。


先輩、また明日の放課後にお会いしましょう。


おやすみなさい。


≪To be continued.≫

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