Track.3:<夢>水着な後輩ちゃんと川遊び。

// 森の中、後輩と先輩(リスナー)が歩いている。

// SE:鳥のさえずり。川のせせらぎがだんだんと近くなってくる。


続いての癒しスポットはー?

川です!


底まで見える澄み切った川。

木漏れ日が反射する水面。

優しいせせらぎの音。


癒しの権化と言っても過言ではありません。


ふふ、眺めて涼むのもいいですが。

せっかくなんで入っちゃいましょう!


ほらほら、先輩も!


// 先輩、川に入ろうとする後輩の服を引っ張る。


わっ、急に引っ張らないでください。

びっくりするじゃないですか。


確かにお洋服のまま川に入るのは危険です。

ですが、ここは夢です。


流されることはありませんよ。


うーん、そんなに心配ですか?


なら仕方ないですね。

水着でも着ちゃいます?


なーんて、冗談ですよ。

へへっ。


え、そんな真剣な顔で言われても。


そ、そうですか。

水着の方が安心しますか。


わ、わかりました。


その代わり先輩も水着ですからね?


ではでは、先輩。

目を閉じてください。


今から先輩と私の服が水着になります。


いきますよ。


三、二、一。

どーん!


はい、目を開けてください!


ふふぅ、見事な水着でしょ。


先輩、アロハの上着似合ってますよ。

パンツはシックにしてみましたがいかがですか?


なかなか良いセンスでしょ?

後輩ちゃんのこと、見直しましたか?


先輩?

そっぽ向いてどうしたんですか?


私の水着そんな変ですか?


ふ、フリルの白い水着って定番かと思ったんですが……。


わっ、先輩!

何上着脱いでるんですか!?


目のやり場が……!


私に?


肌の露出、そんなに多いですか?

ごめんなさい、気を遣わせて。


で、ではありがたく使わせてもらいます。


先輩、なかなか紳士ですね。


ハーレムとか言ってくせに。


別にー。

根に持ってるわけじゃありませんー。


さて、先輩!

せっかくの水着です。


川遊びに行きましょう!


//後輩が川に入り、先輩も続く。

//SE:水がぱちゃぱちゃと跳ねる音。


ふふ、どうですか?

気持ちいいでしょ?


リラックスしてくださいね。

ここでは流されることはありませんから。


あ! でも、現実では本当に流されちゃいますから慎重になってくださいね!

後輩ちゃんとの約束です!


え、お魚さん?


ホントだー!


食べる。

それは考えたことなかったですね。


私も何度か川の夢は作っていますが、食べたことはありません。


おいしそうかも……。


捕っちゃいましょうか!

えーい!


//SE:水がぱちゃぱちゃと跳ねる音。


先輩、そっちです!


頑張ってくださいー!


わっ、次はこっちに!


よし、そっちの浅瀬に追い込みます。

先輩はそちらで準備を。


そーっと、そーっと。


今です!


//SE:後輩の拍手


先輩、さっすがー!


ではー、バケツ出現!


ご都合じゃないですー。

夢の魔法ですー。


先輩先輩。

このバケツいっぱいになるまでお魚さん捕まえませんか?


く、食いしん坊じゃありませんー。


あ、先輩!

そっちにまたお魚さんが!


いきますよー!


***


//SE:川のせせらぎ


はぁ……はぁ……。//息が上がっている。

たくさん捕れましたね。


ふふ、先輩だって子どもみたいでしたよー。

はしゃいじゃって。


//後輩、先輩と距離を詰めて至近距離で話す。


可愛い。


ねえ、先輩。

もっと素敵な体験してみたくないですか?


そう。

不思議で、楽しい体験です。


どうします?


//後輩、先輩と距離を戻す。


そう来なくっちゃ!


なにかというと、潜水です!


そう、水の中に潜るんです。


怖がらないで、後輩ちゃんを信じてください。


いきますよー。


三、二、一!


ざぶん!


//先輩と後輩は水に潜る。

//SE:ざぶんと水が大きく跳ねる音。


//SE:こぽこぽと水中の中の音。


先輩、せんぱーい?


目、開けてください。

息もしてください。


ここは夢なので、どちらも普通にできますよ。


ね? 大丈夫でしょう?


ほら、水面を見上げてください。

木漏れ日が映って綺麗でしょう?


水の音にも耳を澄ませて。


しばらく、のんびりしましょうか。


//SE:こぽこぽと水中の中の音と後輩の呼吸。


んー?


あはは、潜水楽しいですか?

私、妄想上手だからこういうことはすぐに思いついちゃうんです。


昔からこうやって夢で遊んでいました。

でも、誰も信じてくれない。


だから、私は小説を書いてるんです。


フィクションだと思われても、誰かにこの感動を伝えたくて。


先輩、信じてくれるんですか?


ふふ、嬉しいです。


でもね、先輩。

先輩は目を覚ましたら全部忘れちゃうんです。


夢なんてそんなものですよ。

先輩がそんな顔をすることじゃありません。


大丈夫です。

慣れてますから。


でも、だからこそ、今を大切にしたい。


先輩、もう少し近くに行ってもいいですか?


ありがとうございます。


//後輩の声が近くなる。


今、この瞬間を過ごせることが、私はとても嬉しいんです。

だから、もう少しお付き合いください。


≪To be continued.≫

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