Track.2:<夢>デレデレ後輩ちゃんとあたたかな森。

// 夢の中。緑が生い茂る森の中を先輩(リスナー)は歩いている。

// SE:木々のざわめきや鳥のさえずり。

// 後輩はTrack.1のような素っ気なさはなく、柔らかく可愛らしい様子。


先輩、せんぱーい!


// 後輩が少し距離の空いた場所から先輩の方へ駆けてくる。


会えて良かった。

ちゃんと約束守ってくれたんですね。


はい、今日お話ししたでしょう?


日付が変わる前には寝てくださいって。


何時に寝たんですか?


十一時半、ってギリギリじゃないですか!

むぅ……。


私は先輩の可愛い可愛い後輩ちゃんですよー。

疑わないでください。


私服だからでしょうか?


はい、わりとふわふわしたものが好きです!


でも、何より?

何ですか?


うっ。

ま、まあ、いつもと態度が違うのは認めます。


うぅ、言わないでください。

私だって、本当は素直になりたいんです……。


でも、ここは夢ですので。


私も素直になれるのです。

ぶい!


そんな目を丸くしないでください。


ほら、先輩。

座りましょう。


そこのベンチです。


ふふん!

ここは夢なので、望むものがぱっと出せちゃったりするんです。


このベンチももっとかっこよくできたりもするんですよ?

黒い龍のデザインとか!


え、中二っぽい?


クリエーターはみんな中二ですよ。


でも今は、落ち着きのあるこの木製のベンチにしましょう。


ほら、どうぞ。


// 二人はベンチに座る。


ふふ、素敵と言ってもらえて嬉しいです。


ええ。

ここは夢です。


私のつくりだした。


はい、私は人に夢を見せることができるんです。


実はその……。

私、夢魔の血が入ってまして。


そう、夢魔と言えば夢でえっちなことをするあの……。


なっ!

私はえっちなことはしませんよ!


だ、大丈夫です。

安心してください。


何を期待してるんですか!


おばか!

先輩はおばかです!


もう。

今日は先輩に癒しをお届けしようと思ってたのに。


はい。

とってもお疲れの様子だったので、何かできないかなと思って……。


先輩が望んだハーレムの夢もちょっとは考えたんですけど、さすがに破廉恥なので。

逆に興奮して疲れそうですしね。


がっかりしないでください。


//後輩、急に先輩と距離を縮め、意味ありげに笑う。


でもその代わり、可愛い後輩がたっぷり先輩を癒す夢です。

嫌なわけないですよね?


//後輩、先輩と距離をとる。


す、すいません。

ちょっと調子に乗りすぎましたね……。


は、恥ずかしい。


その、先輩。

思わず夢にまで押しかけてしまいましたが――。


嫌だったら言ってください。

すぐに出ていきますので。


へへっ、先輩は優しいですね。

実はそう言ってくれるんじゃないかと思ってました。


私、いつもあんな態度取っちゃうけど、先輩のこと信頼してるんですからね。

後輩思いで優しい先輩のこと。


いつもありがとうございます。


// SE:近くで鳥のさえずりが聞こえる。


あ、先輩、あそこに鳥さんです。


青くて綺麗ですね。

声も素敵です。


せっかくなんで、ゆっくりと味わいましょう。


目を閉じてください。


息は深く吸いましょう。


// 後輩、深呼吸を始める。


吸ってー、吐いてー。


ほら、先輩も。


吸ってー、吐いてー。


少し心がふわりとしてきませんか?


この森の温かで優しい空気を吸い込みましょう。

そうしたら、きっと落ち着けますから。


吸ってー、吐いてー。


吸ってー、吐いてー。


// 後輩、深呼吸をやめる。


いかがですか?

少し体のこわばりもほどけたのではないでしょうか?


ふふ、その調子です。


先輩、最近肩ひじ張りすぎてる感じがしたんです。


今晩でゆっくりほぐしていきましょう。


どうしてこんなことをするのか?


それは先輩が大切な先輩だからです!


何ですか、その顔は?


尊敬してますよ、ちゃんと。


この言葉でそんなに感動しちゃうほど、私先輩にひどい態度取ってたんですね……。

すいません。


よし。

罪滅ぼし的な意味でも今日は張り切って先輩を癒しちゃいます。


どうぞ、よろしくお願いします。


≪To be continued.≫

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