Night 03 はじめての夜~アイス~

「大丈夫、大丈夫、普通に、普通だから」

(身体のチェックオーケー、髪もつやつやオッケー)


SE・歩く音

SE・ドアを開く音


「お、おっまたせー、アイスなに食べてる?」

SE・冷蔵庫の開閉音

「私はバニラ……うーん、ストロベリー……バニラにしよ!」


「隣、座りますよー」

 ・主人公の右側に座っています

 ・かっこうとしては体育座りで


「よっこいしょ」

「ばばくさくないもん! みんな通る道!」

SE・布の擦れる音


「あ、スプーン忘れちゃった」

「え? スプーンのシェアは、その、恥ずかしいじゃん、それに味が混ざっちゃよ」

「いいって……いいのかなあ」

(そんな若いカップルみたい)


「そっちのくれるの? ありがと、んーおいしいー」

「じゃあ、今度はこっちのね、スプーン貸して、はい、あーん。どう」

「あははは、これじゃあ食べあいっこじゃん。正直にスプーンもってきまーす」

SE・布の擦れる音


「あったあった」

「はい、どっこいしょ」

SE・布の擦れる音


「隣、ほかほかしてる。んきゃっ、ちょっと髪の匂いかがないでよー」

「匂いなんて、今日は同じでしょ?」

 ・けらけらと笑うように


「え? 違う? セイラの匂いがする? ちょ、はずかしー恥ずかしい!」

 ちょっとした大きな声で


「そしたら、そっちの匂いだって違うもん」

「たしか匂いは首筋だったかな、くんくん」

「んん? たしかに同じソープ使ったのにな。なんか匂い違う?」


「いいにおいがするね」

 ・ささやきボイス


「ふっしぎー」

「あっ、また、そっちのアイス食べたいな。ニュースプーンでひとすくぃ?」

「え、食べさせる? ちょっとちょ、また食べあいっこするの? もう、あーん」

(恥ずかしいことばっかり、するんだから。そこが好きなんだけど)


「やっぱり、おいしい。こっちも? スプーン貸して、はい、あーん」

「こんなことばっかやってたら、食べ終わらないよ」

「さくさく食べる! さくさく……」

(こんな急いで食べたら、初夜にがっつかれてると思われちゃう!?)


「い、いや、そう、さくさく食べる!」

 ・慌てた感じに

SE・アイスをまぜてるような音


(なんか、ここまで色々あったなあ)

「……ん、なんか昔のこと思い出しちゃった。ほら、出会った時」

「こうなるとは思わなかったなあ」

 ・しみじみと


「ヤダとか、そういうのじゃないよ!?」

 ・フォロー


「お互いに引っ込み事案だったのに、てね。私、少しは変わった?」

 ・首を傾げているような

①「え? 昔から可愛かった?」

②「ちょ、ちょちょちょっと待って! もう急に恥ずかしいこと、さっきから言い過ぎ!」

 ①きょとん

 ②大慌てで


「ん、こほん」

 ・落ち着いたふりみたいに


「私も今もかっこいいと持ってる、よ」

 ・右からささやきボイス


①「えへへへ」

②「はっ、アイスが溶け始めてる! 早く食べて、あっ、そのはやく食べよ?」

「疑問形って言われてもって、その、あははは、食べたあとは歯磨きしよ! うん! え、なんでかって、それはその~」

(きっと、がっつかれてると思われてるよ~!)

 ①嬉しそうに

 ②以下、キスをしたり夜のことを考えているので焦る

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