宇宙統一戦記

プロローグ

流行りの異世界転生、そのようなものは存在しない。

前世の記憶といったものを思い出した瞬間にそう確信した。

人生というものに絶望するのには、十分すぎる境遇だ。

父親は戦死して、母親は行方不明。孤児院に住むこの世界では珍しくない戦災孤児。

まずは、自分が置かれている状況を確かめてみるか。

おれの名前は、今村ヒサシ。

年齢は5歳である。

生活の様子は、大正から昭和にかけての日本のようだ。

ただ前世の世界と変わっているのは、科学技術が発展していて、星々の間で戦争が何百年もの間起こっているということだ。

だが、前世の知識を使えば軍人として成り上がれるだろう。

なぜなら、前世でおれは有名な軍事学者であったようだからな。

だが、この世界のことはまったくもって知らない。

シリウス銀河連合軍傘下のシリウス銀河宇宙海軍幼年学校入学は、13歳からである。

それまでに、あらゆることをまなばなければならない。

この世界の文化、食生活、戦い方などさまざまなことを学ばなければならない。

そして、この俺の手足となる信頼のおける仲間を作る必要もある。

戦争というものは、時として残酷である。

勝者だけが正義である。

自分の生きるこの世界、つまりテリトリーを守り続けるには勝ち続けなければならない。

それならば、全力を尽くすのみである。

この鬼才の魔術師xxxxxの生まれ変わりである今村ヒサシここに誰もが笑える世界を作ることを誓おう。