第3話 男えらび
「さて、いよいよプロジェクトの開始でございます。」
エドガーが言う。
「私は何をすればいいの?」
「スミレ殿は、ただリラックスして、男性諸君と過ごしていれば良いのです。
いざ、この人とのお子を産みたいとなれば、私めにお声がけください。
その他の案内も私が行いますゆえ、どうぞご安心を。」
エドガーは心強い。
筋トレとかのしごきはきついものがあったけど、すべて私のことを思ってやってくれている。
彼の言葉を信じよう。
「では、こちらへ。」
エドガーに言われるがまま、とある部屋に連れていかれた。
全面が鏡の部屋だ。
なんだここは?
「こちらの部屋は、セレクションルームと言います。
ここで、お話ししたい男性を選んでいただきます。」
ここで?
男なんかどこにもいないけれど・・・。
「男性?どこにいるの?」
「ええ、すぐそこに・・・。」
エドガーがそう言って、指をパチンっと鳴らした。
そうすると、その部屋は全面が鏡だったのに、突然鏡ではなくなり、部屋の外が見えるようになった。
そう、鏡はマジックミラーだったのだ。
そして、マジックミラーの先では、男性たちが生活をしている。
全員美男子だ。
普通に各々過ごしている。
まるでシェアルームの生活を覗き見ているようだ。
ふと、隣の部屋に目をやった。
「きゃーーーー!」
私は思わず叫び、目をそらした。
全裸の男がいるではないか!!!
そこはバスルームだった。
男が1人、シャワーを浴びている。
当然お尻丸出し。
私は男性経験がほとんどない。
だから男の裸に耐性もないし、びっくりした。
両手で顔を覆うも、指の隙間から恐る恐る見てみる。
わあああ、男性のあそこってあんなのになっているのかああ・・・。
っと、感心している場合ではない。
「エドガー、なによこれ!」
「はい、先ほど申した通り、セレクションルームにございます。
男性たちからこちらの部屋は見えておりません。
男性はいまのところ全部で4人。
どうぞ安心して、まじまじ見て選んでくだされ。」
しかし、いきなり男たちの生活を見せられても、だれを選べばよいのかよくわからない。
プロフィール帳の一つもないのだろうか・・・。
「エドガー、この人たちのプロフィールは?」
「はい、こちらに。」
すると、エドガーがファイルを出した。
中をめくると、履歴書のような感じで、男性の紹介がなされている。
私は適当に一人、読んでみた。
「なになに。
名前 如月 響(きさらぎ ひびき)
年齢 19
身長 178cm
職業 帝国芸術大学生、クラリネット奏者
特技 クラリネット、絵画
経歴 全国関学コンクール クラリネットの部 最優秀賞受賞
その他 如月財閥の御曹司」
端正な顔立ち、経歴的にインドアっぽいからかなり色白の美少年といった感じ。
「19かあ、ちょっと若すぎ?
てか、そういえば私、何歳なんだ!?」
エドガーがすかさず答える。
「スミレ殿も19にございます。
年上が好みでしたかな?」
私、19なんだ!
どおりでお肌ぴちぴちなわけだ!
まあ、同い年なら19でもありかも。
「ふーん、如月君のこの帝国芸術大ってなに?」
「そこは最難関の芸術大学。志願者1000人のうち1人しか合格しない、名門大学ですな。
たしか彼は音楽界の神童と呼ばれておりましたな。
産まれるお子さんは、さぞ芸術的なお子になられることでしょう。
さらに如月財閥の御曹司となっては、非の打ちどころのない男性。
ちょうどいま、そちらの部屋でピアノを演奏しておりますな。」
「うわ、すごい・・・。」
写真で見るイメージよりがっしりしてる。
強いて言えば、ちょっと根暗そう?
でも、私もどっちかといえば根暗だし、気は合うかも。
「次は。
名前 桐生 悠真(きりゅう ゆうま)
年齢 21
身長 182cm
職業 プロ格闘家、パーソナルトレーナー
特技 ボクシング 柔術
経歴 ボクシングライト級世界王者
その他 父親が桐生組組長」
顔は整っているけど、美男子というよりか、漢って感じ。
濃い顔、しょうゆ顔って言うのかな?
さすが格闘家、ワイルドな感じがする。
「この桐生って人、父親が組長ってどういうこと?」
「ああ、その方の父親がヤクザですな。
でも、縁を切っているそうなので大丈夫でしょう。
このプロジェクト参加にあたり、ご両親との接触は禁止しているのでご安心を。
ちなみに、そこでシャワーを浴びておられるのが桐生殿ですな。」
あの筋肉ムキムキが桐生ね。
あんなのに抱かれたらちょっとやばいかも・・・。
じゅるっ。
もう一人くらい見てみようかな。
「どれどれ。
名前 神崎 涼介(かんざき りょうすけ)
年齢 20
身長 172cm
職業 帝国大学生、大手ペットショップ経営
特技 犬を育てること
経歴 世界を動かすアンダー22トップ100選出
その他 保護犬猫活動実施」
この人、特技が犬を育てることって、かわいい。
見た目も、愛嬌があって茶髪だし、ワンちゃんって感じ!
優しそうだし、この人にしてみよっかな。
「エドガー!
神崎くんと話してみたい!」
「ええ、承知しました。
では、呼んでまいります。」
<<作者あとがき>>
ご覧いただきありがとうございました!
この作品は完結確実です!
☆をポチっとしていただけると大変ありがたいですm( _ _ )m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます