孤独は現代において非常に重大な問題であると私は思っています。
やはり人と人との繋がりがないと、人間心の支えを無くしてしまいますから、精神を病んで無気力にだってなります。
こうした本を蝕む虫ですら居心地の良い住民のように感じる。私たち読者が客観的な立場から見れば、この文章の表す通り、紙魚の本を食む音がさながら主人公の命そのものを蝕んでいく不穏な音に聞こえるわけですが、当人は己が命が尽きるまで、その音を同居人の囁き程度、更にそれは孤独を紛らわすためのホワイトノイズとしか認識しないのですから。
主人公当人には認識できない孤独の恐怖を、主人公の一人称で表現できるのは、流石エッセイストだと感じます。
作者からの返信
お読み下さり有難うございます。
主人公の孤独を分かちて下さり有り難く思います。そうです。根底には孤独が潜んでいるのです。社会に出ても表面的な付き合いしか持てない人。そんな人間は実は沢山居ると思うのです。
紙魚は彼の同居人であり子供でもある淋しくも愛おしい存在へと昇華されてしまいます。自身が読書に没頭して忘れていた孤独さえも紙魚に預けてしまう。紙魚の全てが愛おしいのです。最後は紙魚が病まで隠していきます。それは慈悲なのか罰なのか…
それと私への過分な評価、有難うございます。
とても味わい深いお話でした。
この物語に「ホラー」も「バッドエンド」も感じられない私は、既に紙魚の餌食なのかもしれません・・・。
作者からの返信
コメント有難うございます。
SF(少し不思議)位かな?とは私も思ってます。バッドエンドには刺激が足りませんでしたかね。紙魚にはご注意を。