第14神話 メンバー集合!③
何が……」
目を開くと、目の前には白い世界が広がっていた。周りを見渡しても無色の色しか目に入らない。音も何も聞こえてこず、普段見慣れない景色の為俺は気色悪く感じてしまう。
「なんだこれ……そう言えば無響室っていう部屋ってのがあるのは聞いたことあるが……」
口に出してみたものの、音が響かずにただ虚しく消えていく。それにこの空間は部屋とかいう次元では無い。
(き、気持ち悪いな……違和感がやばい。音がない世界ってこんなにも苦痛なのかよ…)
とにかく早くここから出たい一心で叫ぶ。
「おい、ここからだせ。」
音が響かない為、大きな声を出したとしてもすぐに消えていく為、全く耳に自分の声が残らない。
「ううぇ…やっぱ気持ち悪い……」
(い、1回しんこきゅ……え?)
俺が深呼吸をしようと前を向いた瞬間にそこには先程まで無かった筈の大きめの裂け目が目に入った。
(なんだこれ……さっきまでこんなものどこにも無かった。一瞬で出来上がったのか?)
もしかするとラルバが裂け目から?いや、ガラスが割れるような音はしなかった。
暫く見つめていると、裂け目から小さなスクリーンが出てきて、そこから映像が映し出される。
そこに居たのはラルバの姿と、ネヴァ達4人だった。5人で機・械・から投影された映像を見ている。
ーーそれにしても次元の神が急に低次元の方へ行ってたからこれを尾けさせたけど、やっぱり人間目当てだったねー。
ラヴァナが先程のリビングの場所から何かしらの機械から映像を通して通して先程の厨ニの神を見ている。
ーーあいつも高次元を支配するだけじゃ飽き足らず、低次元まで姿を現そうとしているんだろう。全く独裁主義者どもが、反吐が出るな。
更にはあのくうかんの神であろう人物の声が聞こえる。
このスクリーンの画角的に顔は分からなかったが、後ろ姿だけは一瞬だけ見えた
(これって……)
そう考えようとする内に場面が切り替わり、今度はネヴァと話している様子が映し出される。
ーーお前……神の力だけじゃなく人間まで奪うのか?
ーーあぁ、予定変更だ。最近の神達は低次元に蔓延って身勝手に支配しようとする奴が増えている無法地帯なのが現状だろ?だから神どもをこの手で抹殺し、本当の神という存在がどういうものかを証明してやる。
そしてラルバがセリフを言い終わると同時に、スクリーンに映し出された映像が一気に脳内に流れ始める。
「あっ……!がっ…!」
(い、痛てぇ!?片頭痛なんてレベルじゃ……)
突然大量の情報が脳内に流れ込んでくる為処理が追いつかず、脳の容量をどんどん圧迫し脳に疲労を蓄積していく。
ーーねぇ、ラルバ。私達は内・側・から、バレないように全員で巨大な裂け目を上空に作れば良いのよね?
ーーあぁ。どうした?また聞いてきて…
ーーそりゃ相手は格上の神だし……もし敗けたら今・ま・で・み・た・い・に・殺そうとしてこないか怖くてさ…ハハ、情けないや。
ーー……大丈夫だ。今回の戦場は低次元だろ?あいつだって少しでも力を使ったら、折角の貴重な神通力持ちが巻き込まれて死ぬだろ。そんな馬鹿なことをするような奴等だったら倒すのに苦労なんかしない。
その言葉を発すると同時に、更に勢いよく脳に情報が流れ込んでくる。これ以上流れ込んでくると、ただじゃ済まないことは明白だ。
「あっ…!!ぐぐ…!!ぎッ……!!」
ーーお前らな……もう少し、退くことをだな……
ーーか、勝てた!!
ーー頼む、修行をつけてくれ!!
ーーやっと……此処まで来た…。
ーー最終段階だ…待ってろよ―――!!
最後に何かラルバが何かを叫んでいたが、その瞬間にまた裂け目に俺は包み込まれる。
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