第14神話 メンバー集合!②
パリン!
「よし、着いたぞ!」
「あ、来た!」
裂け目から出ると、無地の壁が前方にあり行き止まりの場所だった。
そしてその前にラヴァナが目の前に待ち構えるようにして立っている。
「…ネヴァ!」
「げっ…」
ネヴァが思わずラヴァナへの気持ちが思わず心から漏れてしまった。
ラヴァナはそそくさとネヴァのゼロ距離まで近寄ってネヴァに向かって問い詰める。
「もう!あんた何やってんのよ!急に居なくなったと思ったら勝手なことして!あんたってのはーー」
「す、すまん。」
ネヴァを咎めるようにガミガミと言う。
さっきのマサルの言葉からも推測するに何かしらネヴァが勝手な行動をした挙げ句、何が起こったのかは分からないが疲労困憊で倒れてしまった…といったところだろうか。
(あんな短時間で過労死しかけるってどんなことしたんだ…?)
「全く!これだからーー」
そう考えている合間にもラヴァナの説教が止まらない。悪癖がまたでている。
スイッチが入ると、本当に止まらないようだ。
「ま、まぁまぁまぁラヴァナ。今は他人を咎めるよりも早よ行こや。あいつも長らく待たせたら嫌やろ。」
そう言ってマサルがガミガミ間に入って、ラヴァナを止める。
ただラヴァナはこれしきで止まるのだろうか?あんなにも暴走特急な存在が…
「……そうね。こんな所で茶番してる場合じゃなかったわ。」
(……あれ?)
思ったよりも早くに引き下がった。
俺と初対面の時はノンストップで喋ってたのに……
「ふぅ。」
マサルはラヴァナを止めて、一息吐くと
「鍵、開けるぞ?ラルバ。」
マサルは壁に向けて話しかける。すると
ーーいいぞ
という声が脳内に響き渡る。あいつの声だ。
また脳内に空間を使って、声を送っているようだ。生前の頃には無かった感覚なので中々慣れない。
その声とともにマサルが空間から鍵を取り出す。小さく、銀色に光る鉄製の鍵。
「…Ma star Please Connect The Spaces.」
マサルが急にネイティブに言葉を発した。ひょっとすると合言葉か?
するとその鍵は光ながら変形し始めた。
(…うっ!まぶし…!)
あまりの光度に俺は目を閉じ、腕で目を覆う。
暫くして光が収まったのを瞼から感じると、空間の裂け目が出来ていた。
「よし、
「あ、ちょっと!」
ネヴァがそう言うとその裂け目の先へ進んで行ってしまった。
「じゃ、ワイ等も先に。」
それに続いてマサルとラヴァナも後に続く。
「…ちょ、ちょっと!!」
そういう間にはこの場所にはもういなかった。
「あぁもう!ちょっとはどんなとこかぐらい入る前に教えてくれたって良いのに!あの人間の奴!何考え…て………?」
俺は呑気に独り言を言っている間にあることに気がつく。それも大きな違和感。
(なんか……………小さくなってない!?)
その違和感の正体は裂け目の大きさだった。先程までは3人の身長よりも遥かに大きかったのに、今では俺の首より下ぐらいの位置に変化している。
「ちょちょちょ!待ってくれ待ってくれ!」
俺は反射的に叫びながら俺は裂け目の中へと飛び込んだ。
パリン!
「あ、危なかったぁ…」
裂け目を通り、俺は新たな場所へ移動した。裂け目の方を見るともう完全に消滅している。
「よし、叶夢も来たな。」
前を見るとネヴァ達3人が立ち、その先にはあの人間がソファで脚を組みながら座っていた。
地面は天然石製のタイルで構築されており、壁は灰色のコンクリートで覆われている。
奥の棚の方には何やら資料や本といった物が並べられている。
「よ、よしって……ちょっと位説明してくださいよ。置いてかれるところでしたよ。」
「…そ、それはすまなかった。」
ネヴァが振り向き、軽く謝るとあの人間の方に顔をすぐ向けた。
ラヴァナとマサルはさっきのテンションから変わり、真剣な顔であの人間の方に目を向けている。
「さてと……揃ったな。」
揃った…という割にはマガミの姿が見えない。そういえばあの後マガミは一体どうなったのだろうか。
予想するとするなら、マサルの言っていた罰ゲームという説が有力だ。
「改めて人間よ。知っていると思うけど自己紹介をしよう。ラルバだ。よろしくな。」
ついに自身の口から正体を明かした。
彼からは普通の人間とはまた違った存在感があり、素人ながらも強さというものが滲み出ていると感じる。
厨二の神や空間の神と出逢ったときとはまた一味違う雰囲気だ。
「……よろしくお願いします。」
不本意だが俺はラルバの自己紹介に受け答える。
「さてと……いきなりで申し訳ないんだが……」
パリィッ!!
その言葉を発した瞬間に俺は裂け目に包まれ、ラルバの側に引き寄せられた。
「な…!?」
突然のことで反応が遅れた。
そして裂け目が開き、ラルバの付近に着くと床が光りだしていた。
まるでアニメとかで言う、魔法陣のような…
そのままラルバ自身が大きな裂け目として姿を変貌させる。そして俺は飲み込まれてしまった。
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