第14神話   メンバー集合!①

 そう捨て台詞を吐くとともに空間の外に消えようとしたその瞬間


(……待て!ラルバ!)


「っ……!!?」


 この空間から店へと繋がる裂け目に半身を乗り出した瞬間に、見たことのない武器が一斉に襲いかかってきた。

 いや、これは武器というより……


(おもちゃ……!?)


 目の前に飛んできたのは、バネのついた俺とウランさんの身長と変わらない大きな手がどこからか飛んでくる。 

 それを両方向に避けられないようにどこからか赤く長い触手が襲ってきて俺の両腕を即座に縛る。


「な、なんだこれ…!?」


 キメラはその手をまじまじと見るとその触手には大量の吸盤が張り付いてあった。

 まさか……


「……タコか!?」


 そう言う合間にもキメラの両腕を更に強く縛る。その強さは並の神にも匹敵する程の力だ。


「こ、この……!!」


 何とかその力に力で対抗して引き千切ろうとするが、縛る力がまた強まる。

 予期せぬことに段々と顔から焦りが出始め、おろおろとする。このままでは完全に制圧されてしまうだろうと思われた時


 ゾクッ…!


 突如背後に寒気が走る。それは何度も感じたことのある感覚。威圧による恐怖が俺達を突き刺し、鳥肌を立たせる。


「…くたばり損ないめぇ…!!」


 後ろには神がいつの間にか仁王立ちで立っていた。

 だがかなりの体力を消耗しているためか、かなりふらついている。

 それでもじげんの神はまっすぐとした視線をこっちに向ける。

 そしてゆっくりとだが此方に向かって歩み始めた。


「………」


(なんだ?何をしようとしている?)


 そしてじげんの神が歩もうと目を向けている方向には俺達の開いた裂け目しかなかった。


(まさか…あそこからここから逃げ出そうと…?)


 ついには完膚なきまでやられて正気でいられなくなったのか?

 こんな小細工を仕掛け如きで俺が止められるとでも思っているのだろうか?


「……待て!!」


 俺は裂け目を展開させ自分の体を瞬間移動させる。


 パリィン!!


「そのまま、倒れ伏せ!」


 そう言ってじげんの神の背後に周り込み、殴りかかろうとしたその瞬間……


「やぁぁぁ!!」


「ぐっ…!?」


 勢いの良い掛け声とともにラルバ達の背後から衝撃が加わり、拳の軌道が逸れてしまった。

 

(な、何……)


 後方へ首だけ動かすと、そこにはエプロンを着た店員のような格好をした人間の女が居た。


(ど、どうやってこの空間に……)


 その考えを掻き消すように女は


「店ちょぉぉ!!今です!」


「はっ……!」


 俺の体勢が大きく崩れた所に神は先程まであの裂け目の方へ向いていた神が踵を返して、キメラの体の方に向けていた。


「ま、まず…!」


 そして神はキメラの体に右手を触れる。


「…来い!!」


 そして久方振りにキメラの手の平から裂け目が発生し、二人の体が同時に消える。






 


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