第12神話 儀式の準備③
「あー…疲れたぁ…」
ラヴァナが地面に寝そべって休んでいる。
無事に儀式を完了した私達はそれぞれ地面に寝そべったり、座って体を休ませる。
これ以上動くのはもう限界だ。
「…マガミ?大丈夫?おーい?」
寝そべりながらラヴァナがマガミに呼びかけるがマガミは全く反応しない。
違和感に気づき、少し耳を澄ます。
「すー…すー…」
「あ…寝てる。」
力を使いすぎたことで疲れてそのまま眠ってしまったのか。
「寝かしといてあげてや。こいつもお疲れなんやろ。」
マガミが気遣うように呼びかける。
この深い眠りから暫くは起きることは無いだろう。
「あとでこいつの部屋連れてってやろう。にしても想像以上に疲れたなぁ。」
「ふぅ……過労死寸前だったわよホントに。一日数時間で体壊すってどこのブラック企業よ。」
ラヴァナはボケるように言うが、本当にあの状態のままでは危なかった。
ラルバが持っていた回復薬が無ければ今この世にはいない。
「取り敢えずは大丈夫だ。暫くは安静にしとけば疲れは取れるんだろ?」
ネヴァがラルバに向けて聞く。
あれほどまで過呼吸になって倒れていた私も今では話せる程にはなった。
(それよりも…叶夢は……)
早く行かないと。ウランをずっと待たせるわけには行かない。
「……無理すんなよ?」
ラルバが私が急かす心を読んだのか、私に対して労いの言葉を掛けてそれに応答しようとしたときだった。
ーーあーあーあー……聞こえるかお前等。魔法陣は出来たか?
またもやテレパシーとして脳内に流れ込む。ウラさんだ。
「おぉウラン!こっちは完成したで!」
マサルが意気揚々と答える。
それにしても何の用だろうか?
ーーそこの人間をそこに連れてこい。
「え?もうですか?」
ラルバが少し驚いた顔をする。
それもその筈、まだ私達に回復薬飲ませてから5分も経っていない。
この薬の効能は少なくとも後もう10分以上体を休めないと駄目だ。
(…行かないと…!)
そんなことは分かりきっている。なのに何故か私は
心をさっきから落ち着かせようとしても早く早くと行動を促そうと儀式が終わった後からしつこいのだ。
あぁ…もう限界だ。
ーー……早めに頼む。この神がそろそろ何かしでかしそうだ。
そう言ってすぐに切ってしまった。
「いっちゃった………」
ラヴァナは小さく呟く。
「……にしてもやけに行動が早いんなぁウランのやつ。そんなに異常事態が起こっとるんか?」
「……まぁ数分ぐらいならウラさんなら許してくれるだろ。お前等安静に……」
「……ラルバ?」
ラルバは皆んなの方へ振り返ると、あるものがないことに気づく。
「ネヴァは……?」
いつの間にかネヴァは姿を消していた。一体どこへ?まさか……
「バカタレが……!」
そう呟きながらマサルは疲れが完全に取れきっていない中で、ネヴァの跡を追う。
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