第20話

 都市ベクラダの西側にある都市ダラムの女王、サラ・ジェシカ・ダラムはブチギレていた。

 彼女の子供は、ベクラダ第一王女の婿である。

「 これだから、男は役に立たないのよ! 今度会ったら半殺しにしてやる 」

 ベクラダにオークの大群が迫っているから、ベクラダ市民を受け入れてほしい、なんて、すこしは、私の子供らしい仕事をしていると思っていた。


「 オーク10000以上の大群を、魔法の一撃で山事吹き飛ばしたって、何なのよ! 」

「 超級魔法を使える、大魔導士なんて、この世界に存在しないとされていたのに、ベクラダにいたぁ 」

「 最上級機密を、どうして連絡してこないの! 」


「 大魔導士の傍には、エフロラ第三王女、ストーン侯爵家の2女、キーブラー侯爵家の4女、ハドソン侯爵家の3女、自分の娘と、ベクラダの大貴族3家の娘ですでに固めているなんてぇ 」

「 どんな、メスダヌキ なのよ! 」

「 お母さま、キティサック(第一王女の婿) 殺すべきですわ 」

「 大魔導士、魔法の一発でダラムが消える、そのような者がいるのよ! 政治的取引交渉なんて全部いいなりになるしかないじゃない 」


 ベクラダ東側にある大都市へルキアの女王も、発狂しかけていた。

「 殺す、殺す、あの役立たずぅ! ベクラダ第二王女の婿は、へルキアの女王の息子である 」

「 何が、ベクラダの民の受け入れの相談よぉ 」

「 大魔導士の存在何て、何一つにおわせずにぃ 」

「 私を裏切ったのよ、第二王女の色香に惑わされ、母親を裏切ったクズよ! 」

「 へルキア最大の危機、ベクラダの機嫌を損ねたら、ムアール大陸からへルキアが消えるかもしれないのよ 」

「 すでに、ベクラダ王家、侯爵3家の娘で、大魔導士様の周りを固めているというじゃない 」

「 もし、知っていたら、へルキアの全美女を投入、大魔導士様を引き込む事ができたはず 」

「 あぁーーっ! 腹が立つ! 」


 ベクラダ第一王女の婿、第二王女の婿が、恐ろしいほどの寒気に襲われていた。


 都市ベクラダの南側の都市サイアムには、ベクラダの王子が婿入りしていた。

「 まてぇ、まってぅれぇ、おちつけぇ、おちついてぇ! 」

「 俺は知らなかったんだぁ、お願いだから話をきいてくれぇーーーっ! 」

 怒り狂った、サイアムの女王と妻であるサイアム第二王女に追い詰められていた。

「 今から、里帰りして、大魔導士様とコネを作って来なさい! 」

「 あ、あの、妹と侯爵3家がすでにおそばについておりますし 」

「 そんなこと、知っているわよぉーーーっ! 」

「 ベクラダの機嫌を損ねたら、サイアムがこの大陸から消えるかもしれないのよ、魔法の一撃で、山とオークの軍団を消し去った大魔導士がいるのよ、この状況を理解してるの? 」

「 政治的交渉なんか、ベクラダの言いなりになるしかないのよ! どうしてくれるの! 」

「 落ち着いて、落ち着いて、俺に言われても、どうしようもないです 」

 兄弟たちよ、どうか生き延びてくれ、彼は心から祈った。


 エフロラの部屋で寝起き、自分でも信じられないのだが、同じベッドで、エフロラの抱き枕になって夜を過ごしている。

 俺達は二人とも裸である、日替わりでエフロラ選任の護衛と侍女、大人の女性がベッドにやってくる。

 毛も生えてない超絶美少女に手を出したら、犯罪者である、大人の女性までいるが、エフロラに何もせず、大人の女性だけに手を出すというのはまずい、つまり耐えるしかねぇ。

 俺は心を無にして、ひたすら寝たふりを続けている。

 男って辛い! ヘタレを克服するにはどうしたら・・・

 そろそろ、宿の部屋に帰ろう、すごく良い部屋なのだが、俺には広すぎる、壁と壁の隅にすわっても落ち着かない。


 エフロラは14歳、俺より一つした、説明によると、魔力を多く持っている人族は一般的に成長が遅い、魔力が多いほど長寿となる傾向がある、しばらく辛抱くだされれば、お姉様のように成長しますからと言っていた。

 女王様、第一王女、第二王女様達、俺の正確な鑑定眼によると、Aカップと思われる、うん、俺ほどともなれば、女性ならば誰でもOK、小さくても全然平気だし、大きいほうが好みではある。


 彼女と話をしていて、15歳になったら、ムアール連邦第一学園に入学するつもりで勉強したいたと知った。

 第一学園は、学園都市シェムリアップに、各都市がお金を出し作り上げた、学園である。

 ムアール連邦の各都市は手を取り合わなければならない、各都市の王族貴族は、この学校に集まり、顔見知りとなり繋がりを持つ、もちろん勉強のほうも最高レベルらしい。


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