第9話

 ノンちゃん、宿の従業員の連れ子9歳の女の子と手をつないで通りを歩いている、冷静に考えてみると、女の子と手をつないで歩ける日が来るとは感無量である。

 ノンちゃん情報によると、美味しいスイーツが食べられるお店があるらしい、だいぶ慣れてきたが、ノンちゃん全裸である、俺が父親なら即座に服を着せるだろうと思う、しかし父親じゃないし裸のままでも良いかもしれない、複雑である。


「 ここだよ、冒険者のお姉さんが、教えてくれたの 」


 確かに美味い、しかし1個で十分だと思う、ノンちゃんは3つメ、どうなっているのだ。

 女将さん含めてお土産まで購入、冒険者は武具にお金がかかるのだが、俺の場合グリモワールに入っている自前なので、少ない稼ぎでも余裕がある。


 ノンちゃん食べ過ぎて動きたくないっていうから、背負っている、直接お尻とかに手が、問題ないのだろうか、異世界人としては気に成る。

 宿に戻ると、ノンちゃんのお母さんがメッチャ恐縮してしまった、「 お土産です 」

「 これを3つも食べたぁーーっ! 」

「 タクヤ、いっちょ前の冒険者になってきたねぇ 」


 顔が熱い、照れてしまう。

「 毛、生えてきたのかい 」

 ゴン テーブルに頭をぶつけた。

「 わかったから、言わなくていいわ 」顔がメッチャ熱い、この人たちに見られて触られている。


 ギルドに向かって歩いていると、ものすごいスピードでダンドラが走って行った、街中では手綱を引いて歩くというルールがあるのに。

 人を跳ね飛ばした、無視して走り去った。

 道の端に倒れた人、動かない、周りの人も助けようともしない。

「 嘘だろう 」

 倒れている人は、老人、頭と肘から血を流していた、「 大丈夫ですか 」

 脳震盪かも、起き上がれないようだ。


「 動かないでください 」

 初級魔法にはヒールがあったはず、グリモワールをめくる、グリモワールに記憶させた魔法が使える、魔法属性とか適性とか関係ないのだ。

「 ヒーリング 」手を傷口にかざして唱える、魔力がゴソット減った感じがする。

 出血は2カ所、もう一度唱える。

 低級ポーションだけでなく、中級、高級も持ってはいるが、補充できる目途が立たないうちは、あまり使いたくない、魔法は練習になる。

 血は止まった、俺のほうは頭がくらくらしている、ゲームではわからなかった感覚だ。

 お爺さんを抱き起す。

 お婆さんが寄ってきて、涙を流しながらお礼を言われた。

「 気にしないでください 」

「 しばらく、あまり動かないようにしてください 」


 女将さんに、宿泊を延長するかどうか尋ねられた、もう一ヵ月たった事にきづかされた。

 もちろん延長した、前払いで金貨1枚、始めはダメかとも思ったが1ヶ月まだ生きている、ちょっと感激。


 ギルドの受付、チャンダクマさんが僕の担当みたいな感じに、何の問題もないし、嬉しいのだが、隣で対応している美女だと知っている、とっても残念、美女耐性ってどうやったら身につくのだろう。

「 タクヤ君、よく頑張ったね、プレートの色が銅に変わるよ 」

 他の受付嬢達まで寄って来た、記録的な速さだとか。

「 お姉さんと食事しようかぁ 」キオツケです、ハイ!

 そのとたん、男冒険者からの殺気を感じた。

「 こまるよ、タクヤ君は僕の専属だから 」チャンダクマさんナイスフォロー


 森の中に入りキャベッジ草を摘んでいると、マンティスが現れた、カマキリのような魔蟲である、こいつは炎に弱い、事前調査済みである、知識が勝敗の半分は占めている気がする。

「 おちつけ、おちつけ こわくない、こわくない 」心の中で繰り返す。

「 フォアイヤーボール 」

 マンティスが燃え上がった。

 森に火が付くとまずいので、ウオーターボールの準備はできている。

 マンティスが倒れた、「 ウオーターボール」「 ウオーターボール 」火消を実施。

 久しぶりにレベルが上がった、27である。


 瑠楠 拓哉 ♂ 15歳

 称号 : 女神に愛されし者


 LV : 27

 体力 : 178

 魔力 : 243

 筋力 : 60

 早さ : 65

 運 : 27


 スキルポイント 54


 特殊能力 : グリモワール 異世界言語E


 スキルポイントが54たまったので、筋力と速さに振り分けた。


 筋力 : 87

 早さ : 92

 スキルポイント 0


 もっとレベルを上げないと、グリモワールの装備が使えるようにならない。

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