第8話

 冒険者をやる前に、この世界の常識について知るべきだった。

 図書館について聞いてみたら、ベクラダには無いと言われた、ギルドの資料室に籠って調べよう。


 薬草摘みを再開、ゴブリンが2匹、ツガイなのか、雄と雌、ゴブリンに雌がいる事に驚いた、ゲームだと人の女性に子を産ませる設定だった。


 人型で腰布とかしてなくて全裸、身長が120cmくらいで、ブタのような顔、知性のかけらも感じられなかった。

 風の渚さんが、瞬殺、心臓を一突き。


「 剥ぎ取るから、見ておきな 」


 何故裸が蔓延しているのか、わかった気がする、ゴブリン全裸、体の構造的には人と同じだった。

 アソコも大きいだけで人と同じ。

 手で竿を握っている、こんなもの触ったら、手が腐り落ちる気がした、無造作に袋を斬り落とした。


 真っ青である、無意識に内股になり股を両手で抑える。

 風の渚さん達、大爆笑、 「 タクヤのは斬らないって、斬りとるほど無いしね 」

 地味に心に突き刺さる。


 次は雌のゴブリン、インターネットネットの有料サイトに大枚をつぎ込み、研究しつくした、女性のナニと構造的にも形も同じと言える、51年童貞を貫き通した俺には聖域とも言える部分に、短剣を付き刺しお腹に向けて切り裂いた。


「 おぇーーっ 」あまりのナマナマしさに吐いてしまった。

「 冒険者をやっていくには、慣れるしかないよ 」


 ゴブリンの雌からは卵巣を取り出した。


 完全にダウン、荷馬車の荷台で横になっている、冒険者として初日に挫折しそう。

 風の渚さん達は夕暮れまで薬草を摘み、いちおう動けるくらいには気持ちが回復した。

 作業を終わり帰る道すがら、

「 タクヤ ダンドラに乗ったことある 」

「 ありません 」

「 乗ってみるかい 」

「 はい 」

 ロナさんのダンドラに、ロナさんの前に座らせてもらう、「 うっ 」

 肉食の恐竜みたいで、実は怖い。

 胸に付けている金属性のプロテクターが背中に突き刺さるような痛み。

「 ごめん、痛かったかい 」

 ロナさんは、プロテクターを外してくれた、生乳がドーン、いきなりだと慣れてきたとは言え、かなりの衝撃がある。

「 ふぇ、えっ 」

 背中に生乳が当たっている、苦節51年、夢がかなったぁ、死んでもいいかも・・・

 ダンドラが走る、プニョプニョ・プニョプニョ 当たっている感触が揺れに合わせて激変。

「 お乳があぁーーーっ! お乳がぁーーーっ! お乳がぁーーーっ! 」意識が飛んだ。


 冒険者ギルド、ロナさんにお姫様抱っこしてもらい移動、あまりの衝撃に腰が抜けた。

 ほんとうに生きててエカッタって思った。

 チャンダクマさんが、走って来る、「 タクヤ君は、大丈夫ですか 」

「 大丈夫、大丈夫 ダンドラに乗せたら、酔ったみたい 」

 どっと笑いが。

 お乳酔いだと訂正したら、ダメだろか・・・


 体が浮かんでいるような気分のまま、なんとか宿に戻る事ができた、ベッドに倒れ込む。

本当の男の階段を登ったと言ってもいい

「 うふふふふ、くふふふふ 」もうベッドで悶えまくるしかねぇ。


 翌日は部屋にこもった、興奮しすぎて寝られなかったからだ、経験不足過ぎてここまで情けないとは、自分でもあきれた。


 翌日、早朝からギルドに直行、資料室に籠る。

 何故これほど気温が高い地域に人が住んでいるのかが、わかった。

 強い魔物は分厚い鎧のような皮膚、分厚い毛皮などで身を守っている、すなわち、熱いところだと体温が上がりすぎる、ゆえに、強い魔物は熱い地域に近づかない、女神が作った自然の防壁っていうやつだ。


 調べれば、俺の常識が通用しないことがよくわかる。


 この世界の宗教というのか、女神オルンサンガ様の教え。

 108冊の経典にまとめられているらしい、おそらく俺を転生させて下さった女神様だ、別途勉強しよう。


 裸が溢れているのは、女神オルンサンガ様の教えの影響があるようだ、女神を敬えとかの指示など全くないらしい。

 この世界で最も誇るべき物は己が体、両親から与えられた、唯一無二の者である。

 その通りかも、同じ人でも、全く同じではない。

 魔法族、王族、貴族、平民、獣人、妖精族、魚人、虫人、奴隷、生きるすべての者、その体は唯一無二の者である、己が体を誇れ!

 転生前の世界には無かったような発想かもしれない。

 何も持っていない奴隷でさえ体はある、そのような人にも希望を与えられる教え。

「 へぇー 」 バーバリアン族っていうのは、自分の体が好き過ぎて、一切服を身に着けないらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る