第7話

 講義が終わった後、講師に質問させてもらった、剣を学ぶには、魔法を学ぶには、冒険者の仕事を学ぶには、簡単な事だった、ギルドに依頼書を出せばよい、お金はいるが、冒険者は仕事として受ける。


 ギルドの受付には美女しかいなかったが、カウンターの後ろに座っている、ハゲのおっさんを見つけた、一生懸命に手を振ると気づいてくれた。

 仕方ないなぁと言った雰囲気で、前に出てきてくれた。

「 薬草採取の仕事を教えてほしいです、冒険者に依頼したいです、どうしたらよいのか教えてください 」

「 感心感心、最初が肝心だからね、君は良くわかっている 」

 ハゲのおっさんの名前はチャンダクマさん、ハゲのおっさんって言ってごめんなさい。

 チャンダクマさんは女性だけの冒険者グループと話を付けてくれた、男の冒険者は彼の所には寄り憑かないとぼやいていた、俺のような谷より深い事情でもなければ、まぁ普通に美女を選ぶわなぁ。


 4人組女性冒険者 “ 風の渚 ” さん達だ。

 丁度薬草採取の依頼を受けた人達、自分の身は自分で守れるなら付いてきても良いと言ってもらえた、依頼料はいらない。

 4人とも筋肉の塊のような感じ、かなり怖い。

 出発は明日、今のうちに、依頼内容について資料室で調べる事にした。


 夜明け前にベクラダの西門の前に集合、電気が無い世界なので、活動時間は夜明けから日が沈むまでが基本。


 ダンドラ2匹が引く、荷馬車に乗せてもらっている。

 2人が荷馬車に、二人はそれぞれダンドラに乗っている。

 裸であることに間違いはないけれど、金属製のタレや胸当てなど防具で肝心な部分は隠れている、おかげで目が泳よいで変態だとか思われずに済んでいる。


 城塞都市ベクラダ、異世界転生2週間にして初めて外に出る、冒険者にはなんとなく、過去の事や事情などを尋ねないようにするような暗黙のルールがある、何処から来たとか、詮索されずに済んでいる。

 冒険談の話を聞かせてもらいながら街道を進み、道からそれて藪の中へ。

「 パクチーノ草はこのあたりに生えているんだ、ゴブリンとホーンラビットに気お付けるんだよ 」

 事前に資料室で調べて来たので、知識としては頭に入っている、ゴブリンは睾丸、ホーンラビットは角である。

 パクチーノ草は、ギザギザの棘が葉にある草である、毒消しのポーションの材料になる、形状をメモ帳に書き写している。


「 索敵 」グリモワールにある初級魔法、敵を感知する魔法である、初級なので半径10m程度の効果しかないが、無いよりまし。

 索敵魔法を発動した状態で、パクチーノ草を探す。

 普通の雑草に混じって生えているので、わかりにいくいが、眼が慣れて来ると、だんだん見つけやすくってきた。

 頭がピリットした、索敵魔法にひっかかったのだ、事前情報からホーンラビットのはず。

 短剣を手に、心の準備、Lvも上がっているし、不意打ちでなければなんとかなると、気持ちを落ち着かせる。


「 きたぁ 」雑草の中から飛び出て来る、短剣を角に向かって振り下ろす。

 パキーン 金属音、 ホーンラビットの角がポロリ、そのまま逃げて行った。

 角はそのうち再生するらしい、この世界にもエコがあった、武器を失って生きていられたらだけれど。


 風の渚さん達が、急いで近くに、「 ホーンラビットの角です 」

 凄いって 褒められた、「 えへへへへへ 」顔が緩んでどうしようもねぇ。


 昼休憩、それぞれ自前で準備した食事、俺は夜の砂亭でお弁当を作ってもらった。

 死ぬんじゃないよって、涙目で言われて送り出してもらった。


「 おとこぉーーーーっ! 」風の渚さん達、女の子だと思い込んでいたらしい、上半身はだかだよ、乳首しかついてないでしょ、どうしたら勘違いできるのだろう。


 俺的には、男らしいい顔だと思っていただけにショックである。

「 本当? 」本人が言っているのに疑うのか。

「 ちょっと立って 」「 はい 」


 なんの遠慮もなく、腰布をめくりあげられた、当然ノーパンである。

 女性ならキャーとか言わなかった、4人が前でヤンキー座り、ジー ジー 目線が不詳の相棒に突き刺さる。


「 これって・・・ こんなチッコイの見た事ないよ 」

「 あたいも 」

「 メチャクチャ チッコイ 」

「 可愛いね 」


 崇高な男としてのプライド、粉々に砕け散ったわ。


 薬草を摘んでいるわけではない、座り込んで無心に草むしり中、男にはそうしなけばならないときがある。


 風の渚さん達に言われた。

「 女の子としてふるまったほうが良いと 」

 魔女や貴族の淑女が、チッコイ男を探している理由がわかったとかなんとか。


 教えてもらった話をようやくすると、この世界、小穴信仰が蔓延しているらしい、魔女や貴族の淑女は、自分が連れている男が、デカイとあんなものが入るのか? ガバガバだとか思われるのを嫌い、傍につれている男は、チッコイ持ち物の男を選ぶという。

「 危ないわよ 」真剣に言われた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る