第2話
眼が覚めると俺は全裸で小高い丘の上で寝ていた、ゲームをやっていたら、天井が落ちて来たような記憶があるような・・・
「 ここはどこだぁ 」
汗が滲み出てくるほど気温が高い。
俺はプロのゲームプログラマーである、人生経験から一瞬にして状況を理解できた、異世界転生・・・ 無意識にガッツポーズ。
「 ステータス 」反応が無い。
「 グリモワール 」でたぁ 俺のすべてをかけて、あらゆるゲームから武器・魔法・アイテムを収集した集大成である。
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瑠楠 拓哉 ♂ 15歳
称号 : 女神に愛されし者
LV : 1
体力 : 5
魔力 : 5
筋力 : 2
早さ : 2
運 : 2
特殊能力 : グリモワール 異世界言語E
「 完璧 」「 くふふふふふ 」「 えへへへへへ 」「 うふふふふふ 」
笑いが止められない。
称号に 女神に愛されし者がついていた。
「 女神様ぁ ありがとうございます 」
「 そうだ服着なきゃ 」
魔法使い装備一式
どさぁ 「 うわぁぁぁぁぁぁぁ 重い、動けない、押しつぶされるぅ 」
「 装備解除 」
どういうこと、グリモワールをガン観、「 あっ、装備レベルの問題だな 」
めくる、めくる、半泣きでめくる。
「 Lv1 で装備できる物がねぇーーーっ! 」
30年以上前、初めて倒した魔物からドロップした装備、記念に保管していた物があった。
ゴブリンの腰布 :装備レべル 1
錆びついた短剣 :装備レベル 1
眼がウルウル 夢のような異世界転生をしたのに、そのいでたちはゴブリン・・・
「 はっ、お金は? 」
グリモワールをめくる、半銅貨 999枚、銅貨999,反銀貨999,銀貨999,反金貨999,金貨999枚。
「 間違いなく大金持ち、女神様ありがちょうございますぅう 」
丘から見渡すと城壁があるのがわかる、「 武器と服は買おう 」絶望に陥りそうだったが、なんとかテンションを保つ。
歩き出したのだが、裸足なので、足の裏が痛い。
雑草を錆びついた短剣でかき分けていると、スライム? がいた。
スライムは攻撃してきそうな様子、錆びた短剣を構える、ボーンと飛んで来た。
慌てて避けようとしたけど、肩に当たった。
衝撃で飛ばされた、肩がものすごく痛い、「 ひぃーーーっ! 」こ、殺される。
涙で視界がかすんでスライムの姿がはっきり見えない。
スライムは、飛び跳ねながら助走を付けているような動き、突っ込んできた、必死で短剣を突き出す、当たったというのか、自分から突き刺さってくれた、ベチャーと潰れた。
「 ひぃーーーっ! ひぃーーーっ!」
直ぐに、レベルを上げないと死んでしまう。
体の中が温かくなってくるような。
レベルを確認すると Lv2になっていた。
女神に愛されし者 の称号によりレベルが上がりやすくなっている。
「 女神様ぁ ありがちょうございますう 」
気持ちが落ち着くと、肩が痛いし、足や膝から血が出ていた。
「 ポー、ポーション 」慌ててグリモワールからポーションを取り出す、Lv制限がなかったのでほっとした。
低級ポーションの残りストックは98本、手軽に使ったらすぐになくなってしまう。
兎に角急いで、人がいる場所に。
足の裏が痛いけど気にしていられない、短剣で雑草を斬り付けながら、丘を降りる。
「 シャー シャー 」今度はなんだぁ、ドブネズミ? (見た目)
威嚇している、ゴキブリでも怖いのに、ネズミが向かってくる恐怖、「 ひぃえぇーーーーっ! 」
無我夢中で短剣を振り回しながら逃げる。
「 あっち いけぇーーーーっ! 」
命からガラ、ドブネズミみたいな物から逃げ切った。
これは、ダメかもしれない、ゲームだとドラゴンでも怖くなかったけど、現実だとネズミでも向かってきたら怖い。
今は、安全な場所へ、足の裏から血が、足首や太腿、腕や体、雑草で斬れて、血が出ているけど、かまっていられない、必死で丘を降りる。
ようやく道があるとこに出た、舗装していないガタガタ道、汗まみれ血まみれ、座り込んで、ポーションを飲む。
城壁に向かって道を歩く、汗が滝のように流れ出る、なんて熱い場所だあ。
「 み、水ぅ、水ぅ 」喉がからから頭がくらくらしてきた。
チャリン、チャリンと鈴の音、 後ろを振り向く。
「 ひぃえぇーーーーっ! 」腰が抜けて逃げられない、涙が溢れ出て来る。
「 そんなに驚くことないだろう 」
道を歩いていたので、後ろから来た馬車が、鈴を鳴らした、振り向いた俺は、馬車を引いている動物(馬ではない)のに驚いて、腰を抜かした。
ダンドラという、見た目は二足歩行で肉食恐竜のような動物が馬車を引いていた。
馬車に乗せてもらっている、人に出会った安心感と馬車を引いている動物にビックリしたのと合わさって、泣き止めない。
精神年齢51歳、孤高の日本男児を気取っていた、男心が砕け散ったとも言える、それに前世の記憶なども思い出す、数多の理由によりガン泣き。
馬車に乗せてくれたおじさん、「 泣くなってぇ 、泣きやめ 俺が泣かしたみたいじゃねぇか 」困り果てている。
おじさんの恰好、腰に布を巻いただけだった。
なんとか、泣き止めた、すでに城壁の中だった。
中は広い道があって、道の周りには屋台が立ち並び、活気の良い呼び声、人の恰好が・・・
どうやら中世ヨーロッパのような世界ではない、壁画などで見た事がある、男も女も腰布を巻き付けたような世界のようだ、子供は裸で走り回っている。
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