第8話 忘却少女と人喰い妖怪

セツナとミコトが誘拐されてから数日がたち仙石城では国のための会議をしていた


「クオン様、やはりあの式神はセツナ様の中におります...大変言いづらいのですが...もう」 

「やめて!そんなのわかってる...けど殺せるわけない、あの子は私の子なのよ...」


あの日以降、セツナは目を覚まさず、高熱をだしうなされているようだ


「このまま行けば、セツナ様は死にあの体は式神に乗っ取られてしまいます...クオン様、どうか決断はお早目に」

「なんじゃ、ワシごとこの童を斬るつもりかえ?」


声が聞こえた瞬間その場にいた全員が武器を構え、セツナ?の顔で耳と尻尾が生えている少女を取り囲んだ


「ようやく、姿を現しましたね、大人しくその体から出ていきなさい」

「やはり気づいておったか...出ていけと?いやじゃ、折角手に入れた体じゃぞ、そう簡単に返してたまるか」

「それなら力づくで追い出します!」


クオンは一瞬迷いがあったが、自身の武器である刀を振るうが避けられてしまった


「迷うぐらいなら、刀など振らん方がよいぞ、そんな迷いで斬られたらこの童が苦しむだけじゃぞ」

「妖怪ごときにそんな事言われたくありません!!」


次々と攻撃をひらりとかわしていく、その姿はまるで散る桜のように、かわしていくと部下の1人の刀を奪い取り反撃をしてくる


「くっ!」

「将軍と言ってもこんなものかの?」

「将軍様お下がりください、私達が相手をします!」

「遅いわ」


セツナ?は手の上に雷をまとい解き放ち仙石城の最上部が半壊させた


「う〜む、ワシの力も落ちたものよの、封印される前じゃたら1人残らず消し炭に出来たんじゃが...いや、この童の力が弱いだけか...ん?」


辺りを見渡し全員が倒れている事を確認すると倒れている部下達は傷一つついていなかった、驚いていると刀が飛んできて頬を掠めた


「まだ...死んでいませんよ」

「...どうなっておる?確かにワシは...うぁ!...なんじゃ...まさか!?」


突如セツナ?は苦しみ出すとセツナ?の体が光二分した、片方は耳も尻尾もなくなったセツナともう片方は九つの尻尾を持つ巨大な狐が現れた


『ハァハァ...童自身でワシの憑依から抜け出すとは...』

「...ハァ...ハァ...よかった...なんとか離れる事が出来た...」


セツナは倒れかけたが刀で支えるが立っているのはやっとという感じだった


「セツナちゃん、よく頑張りましたね、後は私があの妖怪を斬ります」

「ま、待って...私が...いや、私にやらせてほしい」


クオンの腕を掴みそう伝えたがクオンが頷く訳もなく


「駄目です!セツナちゃんの今の力では、勝てません!」

「...お願い、母上、私にやらせて...」


声が震えながらも頼み、クオンはセツナの目から覚悟を感じ取り、「仕方ないですね」と言いながら魔力をセツナに流し込み、自身の髪紐を取り髪を纏めた


「これで動けるはずです...もし、セツナちゃんがピンチになった時は助けますからね」

「うん、ありがとう」


そしてセツナは目の前のいる妖怪に向かい合う


『童よ、別れの挨拶はすんだか?』

「童じゃない、私はセツナ・サクラバだ!」


戦いの火蓋が今開かれた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る