第5話 セツナとなってからのあれこれ
セツナが将軍であるクオン・サクラバに引き取られて数ヶ月がたち、セツナは段々と自分がいる所を知っていった、まずは自分がいる国は仙石と呼ばれているおりこの仙石を治めているのがクオンだと言う事、そして現在セツナはクオンから剣術を教えてもらっていた
「はぁ、はぁ...ふっ!」
「その程度!?」
クオンは息一つ上がっていないのに対してセツナは息が上がっていた、するとクオンは木刀を弾くと同時にセツナにも一撃を喰らわせた
「ふんっ!」
「うぁっ!?」
セツナは後ろに倒れるかけると風魔法を使い自身を浮かせ吹き飛んでいた木刀を引き寄せクオンの後ろに回り込む
「はぁ!!」
「甘いよ!」
攻撃は当たらなかった、しまったと思った時には遅く、既に横からさっき喰らった一撃とは比べ物にならないぐらい重い一撃を喰らい、べちゃっと音を立てて倒れた
「あ、ごめんなさい...セツナちゃん大丈夫?」
「...私、一撃も当たらなかった...」
「まだ、セツナちゃんに負けるわけにはいかないから、まだまだかっこいい母上でありたいもの」
さ、立てますかと手を差し出してもらい立ち上がると、まだ痛みでクラクラしたのか少し立ちくらみをお越すとクオンに抱っこさせられた
「うぅ〜降ろしてよ」
「無理はダメですよ、さあ、戻りましょうか」
部屋に戻ろうとすると家臣の1人であるヒスイが駆け込んでくる
「失礼します!将軍様、イチジョウの家の者が来ていますが...」
「げっ...しつこいね〜、はぁ...どうせいつものやつでしょ?まあ確かに全員納得するとは思ってなかったけどさ」
「それが...」
ヒスイはクオンに耳打ちをすると思わず
「はあ!?」
と声を荒げ、ヒスイに通すように伝えるとクオンはセツナを降ろし、頭を撫でて言った
「ごめんね、セツナちゃんは先に部屋に戻っててくれる?」
その声は少しだけ怒りが含まれていたようにも感じた
セツナは1人で部屋に戻ってきたが、気になりクオン達の所に行き盗み聞きのような感じで壁に耳を当てる
「ですから...もう婚約は諦めます、ですので我が息子とそちらの娘さんとの婚約はどうかとおっしゃっているんです」
なんの話をしてるのか、さっぱりわからずにいると後ろからヒスイに声をかけられた
「ダメじゃないですか、クオン様に部屋で待ってるように言われたでしょう?」
「ねえ、ヒスイ、母上達はなんの話をしているの?」
丁度いいと思いセツナはヒスイに解説を求めるとヒスイはため息をついたが説明してくれた
「まずはあの方はヨシアキ・イチジョウ、何度もクオン様に婚約の話を入れてるバ...男だ」
「だから母上あんなに嫌がってたんだ...あのバ...男に何度も言い寄られるから」
真似しなくていいとヒスイに突っ込まれながらも、セツナは気になっている事を聞いた
「ん、でもあの男、息子とか言ってなかったっけ?もう結婚してるのに母上に言い寄ってるの?」
「あの男は妻が3人いまして息子は1人目の妻の子供なんだ、あ...なんです」
「敬語いらないから普通に話していいよ?」
「ですが、これが将軍様にバレたらなんて言われるか」
セツナは「いいから」、と伝えるとヒスイは「では2人の時だけ」と
「それでですね、あの男は将軍様との婚約は諦めるから代わりに自分の息子とあなたとの婚約をさせろと言っているんだ」
「本で見たはーれむってやつだね」
「そうです、クオン様に4人目になれって言ってたんですよ?普通1番でしょうが!」
めんどくさいね、なんて伝え、イチジョウの後ろにいるおそらく息子であろう人物を除いているとイチジョウが声をかけてきた
「おや?あなたはもしやセツナ・サクラバ様ではないですか、なんともクオン様と似て可愛らしい」
「心にもない事言わなきゃいけない...なるほどこれが大人ってやつなんだ...」
「セツナ、部屋にいなさいと言ったでしょう?...ヒスイ、お願いします」
クオンに戻っていろと言われ大人しく戻ろうとするとイチジョウの息子が失礼な事を口走った
「顔はかわいいじゃん、ま、俺のハーレムの1人目にしてやるから感謝しろよ」
セツナは気づいたら息子を殴り飛ばしていた
「いや、本っ当に、気持ち悪い!無理!」
とだけ言い残しセツナはその場から逃げるように去った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます