第9話 これって不法侵入ってやつですか?

「山賊ってあの山賊?」

「そうそう、あの馬車とか襲ったりする山賊。」

「えーっ」

「おいおい不満か? 俺はヤタガラスの話を聞いてるとそんぐらいしか生きていく道はないぜ。」

「山賊なんてカッコ悪いよ、盗賊がいい!」

「そこかよ」

「まぁ、山賊って小物感あるもんな。」

「じゃあ盗賊やるか。」

「でもやるって言ったってどうするのさ」

「フッフッフッ、俺にいい案がある」



―――――――――――――――――

俺達はあるポイントに来ていた


「まずここは何かしら剣が刺さってたような岩がある」

「これに黒の大剣を刺す、そしてこの上に生えている木々を刈る。」

「そして街がある方向から雑草を刈ったり、地面を踏み固めたりする。」

「そうすると、って早速来たな。」


俺達が整備した道を沿ってプレイヤーがまんまとやってきた。

道の先に開けた場所、そこに岩に刺さった剣。これをスルーするプレイヤーはおらず


「名付けてプレイヤーホイホイ!」

「静かにして!気づかれちゃうでしょ!」

「お、おぉ、すまん」


まんまとやってきたプレイヤーは自分が追い詰められているとも知らず、剣を引き抜こうとする。

しかし俺はまだ所有権を放棄してないので、その剣に触れることすらできない!

その素手になった瞬間に「高速移動!」


そうして放った二撃はプレイヤーの手首を切り落とした。


「シールドバッシュ!」「火魔法・小!」


そしてプレイヤーに放たれた火球は新調した黒の盾から放たれるシールドバッシュでスタンしたプレイヤーにあたり、プレイヤーはポリゴンと化した。


「イェーイ、大成功!」

「こんなにもあっさり成功するとはな」

「ドロップアイテム拾っとけよー」

「ほいほい、拾うと称号がもらえるんだっけ」

「んじゃ、引き続き狩って行きますか」――



そうして総勢15名を狩った俺達は大幅なレベルUPを遂げた

俺は11Lv、ホネホネとアルマが8Lvになった。


「そろそろ切り上げるか、日も昇ってきたしな」

「さんせー、疲れちゃった」

「もう人も来なくなってきたしな。」


このゲームでのアンデットは燃えないらしい、

ただ少し居心地が悪いとホネホネが言っていた。


その時、俺達が整備した道から何やら大勢の音がしてきた。

その数15名、俺達が倒してきた奴らだ。


「いたぞ!あそこだ!」

「よくもまあ、殺してくれたな!」

「ドロップアイテムにしてやる!」


「まっずい、逃げるぞ!」

「うん!」 「おう!」


俺達はえさを回収しながら森の奥に逃げる。


「うぉ、やっべぇ敵に魔法使いがいるぞ!」

「魔法使いなのに剣に誘われるなよ!」

「そうだそうだ〜」

「あそこの洞穴に身を潜めよう!」


俺達はスポーンした洞窟より2周りほど小さい洞穴に逃げ込む。



俺達はなんとか見つからずにすんだようだ。


「良かった〜、こんなところに洞穴があるなんてね」

「ほんとだな、いやー、人が来ないと思ったらまさか徒党を組んで来るとは。」

「ほんとほんと、急に疲れて来ちゃったや。」


そう言ってホネホネが座りこむとホネホネが消えた。


「…え、ほ、ホネホネ! どこいった!」

「イタタ、ここだよ、下に落ちちゃった!」


よく見てみると下に空間があるようだ。


「ちょっと待ってろ。」


そう言って俺とアルマも下に降りる。


「暗いな」 「ホントだね、でも徐々に見えるようになってきた」

「これが魔視の効果かな。」 「ぽいな」


周りを見てみるとブロックでできた空間に水が流れていた。

ここは地下水路のようだ。


「すごーい、地下通路だ」

「酸素薄そうだな」

「俺達は息しないだろ」

「それもそうか」

「「「HAHAHA」」」

「まあ探検してみるか。」

「そうだな。」


「出口にマークつけとこうよ」

「そうするか、でもどうするんだ?」

「フッフッフッ、実は面白い魔法を手に入れました!」

「おぉ新スキルか。」

「どんなのだ?」

「魔力で線を書く魔法だよ。」

「…それだけか?」

「それだけとは失礼な!魔視を持ってないと見れないし、スタンプも押せるんだよ」

「おぉ見れる人が限られるのはいいな。」

「じゃあ書いとくね。」

「おう。」

「よろしく。」


そして俺達は地下通路の探索を始めた。


「出てくるのは、ネズミ系のモンスターばっかだな」

「それも100匹いたって蹴散らせれるぐらい弱いね。」

「特になんの面白みもない場所だな、って何だあれ」


何度も分かれ道を曲がり、迷路のような地下通路に変化が見えた。


「部屋があるよ!」

「ほんとだな、水路も通ってない。」

「ここで暮らせそうだな、よしここを第1拠点とする」

「おう」


一軒家くらいの広さがある空間にたどり着いた

箱や樽が何個かおいてあったりする。

そして部屋の隅にははしごがあった


「このはしごどこに続いてるんだろう?」

「見てみるか」


俺達はアルマ、俺、ホネホネの順にはしごを登ってゆく。


「蓋があるな、開けるぞ。」

「おう」


アルマが蓋を開けると光が漏れ出す。

周りを見渡すとどうやら俺達は街の中の路地裏にある、マンホールの中から出てきたようだ。


「ねぇ、これって不法侵入じゃない?」

「「言うな」」


―――――――――――――――

第9話 これって不法侵入ってやつですか?

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